お母さんも、頑張った!

娘は、生後7ヵ月で保育園に入園しました。小さな認可外園で、0歳児クラスは3人。早く仕事復帰したかった私は、入園が決まり「やっと元の自分に戻れる」と胸が弾みました。

ところが、いざ娘を保育園に託すと強烈な罪悪感に襲われました。仕事へ向かう足取りは重く、桜の花が舞い上がる光景と自分の心情は、あまりにもアンバランスでした。毎日が罪滅ぼしのような気持ちで働き、季節が流れました。

 冬、娘が熱性痙攣で入院しました。娘の病室で、次年度から認可園への転園が決まったという電話を受けました。嬉しさは感じず、ぼんやりと手続きの説明を聞きました。

3月の最後の登園日、娘を迎えに行き、担任の先生にお別れの挨拶をして帰ろうとしました。が、泣けて泣けて、だめでした。娘がハイハイしていたほふく室、水遊びをした園庭、大事に保育してくださった先生たちを見ると、声になりません。その時、先生が力強く言われたのが「お母さんも、頑張った!」という言葉でした。非常に意外でした。全く努力が足りないと思っていたので、「私のこと?」と驚きました。

 転園して3年がたとうとしています。あの時の先生の言葉は、今も私を励ましてくれます。つくづく、保育士は親をエンパワーメントする仕事なのだろうと思います。