いいわねぇ、今朝は何冊読んでもらうのかなぁ?

娘が通っている保育園には、送り迎えに親が読み聞かせをできるよう、玄関のそばに小さな本棚とベンチがあります。私は朝の送りを担当しているのですが、娘はこの読み聞かせが好きで、ほぼ毎日、多い時には3冊以上読んでいます。これは、そんな娘に、近くで作業をしている保育士さんがときどきかけてくれる言葉です。

ですが、なにかと忙しい朝のこと。ほとんどの親子は絵本を読むことなく、それぞれの部屋に直行します。当たり前ですよね。それを横目で見ている私だって、実はこう思っていたんです。「違うんです、保育士さん!娘の機嫌を取ってるだけで、けっして好きで読んでるわけじゃないの。早く会社に行きたいんだ、本当は!」。

でも、そんなことを繰り返しているうちに気づいてきました。よく考えてみれば、私はそんなに忙しくない…。定時がない仕事だから、一分一秒を競うわけじゃない。読み聞かせくらい、なんとかなるんです。

娘は6ヶ月から4歳になる今までの毎日を保育士さんたちに見守ってもらっていて、その時間は私よりずっと長いのです。そして、保育士さんたちは、一緒にいる親のことだって、毎日しっかり観察しているはず。気持ちだけ急いていた私も、保育士さんからみれば、けっこう楽しく読み聞かせをしていたのでしょう。毎日の娘の様子だけでなく、親としての私の様子についても、ときどき教えてもらう保育園です。