園は大丈夫ですから、お母さんはお仕事のほうをがんばってください

子どもが3歳児クラスのとき、担任の先生からかけていただいたことば。資料調査や原稿執筆でお迎え時間が予定より遅くなりがちだった時期、仕事への集中力がまだ覚めやらず、思うように今日の作業がやりきれていないのに中断せざるを得ない理不尽な気持ちと、迎えを待つ子どもへの申し訳なさとで、自分が二人いたらいいのに、と己れを呪うような、引き裂かれるような思いで、大慌てでお迎えに行ったときのことです。

 

よほど思いつめた顔をしていたのでしょう。それまで「お約束の時間には迎えに来てください」と厳しく言われるとばかり思っていましたので、予想と正反対のそのことばに、肩の力が抜け、目頭が熱くなりました。

 

仕事と育児の両立という、ある意味互いに相反する性質のもの両方に日々全力を注ぐ、いわば「離れ業」に挑戦している働く母親にとって、理解者がいることは何より心の支えとなるものです。このように保護者を受けとめてもらえたら、今日までの疲れなんか一気に吹き飛んで、また明日から仕事に育児にがんばろう!という前向きな気持ちになれます。共に子育てをするパートナー同士であることを、一言で気づかせてくれた貴重なことばです。