親も子も安心できる社会に(子ども・子育て分科会提出意見)
2026年3月18日開催のこども家庭庁「第14回子ども・
【意見書】
2026 年 3 月 16 日
保育園を考える親の会 代表 渡邊 寛子
平素より、子どもたちの健やかな成長のため、多岐にわたる施策をご検討・実施いただい ておりますことに、心より感謝申し上げます。
一方で、当会が長年にわたり願い続けてまいりました「だれでも、いつでも入れて、安心 して通える保育園」「大人の都合よりも、子どもたちの育ちが大切にされる社会」の実現については、いまだ達成されたとは言い難く、むしろ問題が深刻化している側面もあるので はないかと危惧しております。
以下 3 点、意見としてまとめさせていただきました。ご高覧賜れますと幸いです。
保育園数の増加に伴い、表向きの待機児童数は減少傾向にありますが、実態としては需要 を正確に把握せぬまま定員を削減している自治体が散見されます。中には「こども誰でも通園制度」の枠を確保するために既存の定員を減らすといった本末転倒な事態も生じてい ます。 また、不適切保育や性暴力に関する報道、および当会への切実な相談も後を絶ちません。
東京都では 9 年ぶりに出生数が増加に転じたとの報道もあり、保育ニーズは地域によっ て多様化しています。各自治体において、改めて精緻な需要調査と保育の質向上に取り組んでいただくとともに、年度途中の入園を常時可能とするため、定員に空きがある状態で も保育士の雇用を維持・確保できるよう、財政的な支援を強く要望いたします。
男性の育児休業取得率が向上し、当会主催の 「はじめての保育園」講座でも夫婦共に 1年の育休を取得されているケースが増えるなど、社会の変化に大きな希望を感じております。 しかしその一方で、2025年流行語大賞にもなった 「働いて働いて……」という労働を過度に強調する姿勢や、成長戦略としての裁量労働制の適用拡大には、強い懸念を抱かざるを 得ません。
資料 1( p.40)に記載のある 「こどものウェルビーイングや少子化対策の観点から、親の労働時間に関する定量的研究を進めるべきである。長時間労働は婚姻率の低下や少子化を招く要因であり、労働の効率化による時間短縮は経済対策と矛盾しない」という趣旨の指摘に、当会は強く賛同いたします。国として早急にこの研究を推進してください。
北欧諸国では家族との時間を最優先するため 15〜16 時の降園が一般的ですが、翻って日本はどうでしょうか。NHKEテレの子ども向け番組の放送時間が夕方から夜へと後ろ倒しになり、高崎市では「小 1 の壁」対策として小学校の開門を午前 7 時に早めるなど、子 どもの生活リズムが「大人の長時間労働」に合わせられています。 これは、子どもの権利条約第 31 条が定める「休息・余暇・遊びの権利」を軽視し、子ど も自身の自由な時間を侵害している状況と言えるのではないでしょうか。また、こうした背景が保育士や学童支援員の働き方改革をも阻害し、人材確保を困難にし ている現状を重く受け止めるべきです。
真の少子化対策とは、保護者も子どもも安心して過ごせる日常が土台にあってこそ成立するものです。
2026 年度予算案では、日本の防衛費は 8.8 兆円と12 年連続で過去最大を更新していま す。「戦前」を彷彿とさせるこの情勢下、SNS 等で発信された「#ママ戦争とめてくるわ」 という言葉に象徴されるように、保護者の間では「大事に育てた子どもが戦禍に巻き込まれるのではないか」という底知れぬ不安が増大しています。 子どもたちが将来、徴兵や戦争の影に怯えながら暮らすことになれば、ウェルビーイング は根本から損なわれます。先日、イランでも多くの子どもの命が奪われ、ユニセフが声明 を出したばかりです。
武力衝突を明確に否定し、平和を希求する姿勢を日本が示さなければ、次世代が明るい未 来を描くことは不可能です。
真の少子化対策のために何が必要なのか、今一度、子どもたちの権利を最優先にした議論 を尽くしてくださるよう、心よりお願い申し上げます。
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