「いいのよ、巻き込むことがあったって。だって家族なんだもん。」

人生楽あれば苦あり。「えっ? こんなことが我が家に起こるの?」というような出来事に見舞われることがあるのですね。2歳児で家庭的保育室にお世話になっていた頃、我が家にも大事件が起こり、さまざまな対応や決断、気持ちの整理など、常に待ったなしの状態が数か月続きました。お迎えの自転車を黙々とこぐ時間が、唯一ほっとでき、恥ずかしながらよく泣いていました。

先生とは信頼関係ができており、状況も気持ちも全て話しました。「ここにいる時間は、心配しないで任せて!」……目を見てはっきり言っていただい瞬間を、ありがたく覚えています。そして別の日にかけてもらった言葉がタイトルの言葉です。

当時の私は、かわいい娘を大事件の荒波に巻き込んではいけないと必死でした。一緒に過ごす時間は、何事もないように普通でいよう、笑っていようと。でもそれも難しく…。現実への対応と罪悪感でいっぱいいっぱいの私に、優しい声で、でもあっけらかんとかけてくれた言葉は、すーっと胸に沁みました。

今、私は娘を守るべき存在としてだけでなく、家族という船の乗り組み員(仲間)として捉えています。一緒に頑張っていこうね、楽しんでいこうね、と。私に必要だった“発想の転換”の機会をくれた先生に感謝しています。