我が家には、3人の子どもがいます。
親の目を盗んでコンビニで買い食いするのが趣味の中学3年男子。「炭水化物は太るから減らして」とか言いつつ夕食を食べ終わるなり「ねぇ、昨日買ったアイス食べて良い?」と聞いてくる小6ムスメ(聞くだけまだマシ?)。そして学童クラブから帰宅するなり手も洗わずただいまの挨拶より先に「お腹すいた!今日のゴハンなぁに?」と台所に駆け込んでくる小1男子。
このバラエティ豊かな家族を飢えさせず怒らせずに毎日食べさせるのは簡単にはいきません。
オットも夕食を作りますが、こだわりの強い彼は食材や調味料はもちろん、調理器具や食器まで吟味して作りたい派。当然時間がかかり過ぎてスピード勝負の日常の夕食にはちょっと荷が重い…。
いやいや、そんなに気負わずスーパー特売ルーをちょこっと煮込むカレーでいいから、もっとしょっちゅう作ってくれよ…。とはいえお父さんの特製オリジナル料理は子どもたちの支持も厚く、私もこの時ばかりと思いっきり褒めまくる!
結局、日常は、大急ぎで帰宅したそのままの格好で冷蔵庫の中を引っかき回して、料理するのは私の担当。そんな私にオットは、ずいぶん前から度々「出す食事の全体量が少ない!」と注文をつけてきます。「少ない」と言われてもどうもいまいちピンとこない私。食べ残しは翌日人気無いし、冷凍庫にタッパーが並ぶのも場所をとるし、たいてい私は中身を忘れてしまうので、作ったらその日に食べきるスタイルが気に入っています。子どもも別に「足りない」と文句も言わないし、何となく「ぴったりな分量を上手く作れているじゃないのアタシ!」と自己満足していたので、結構ショックでした。
思い返せば私は三姉妹、母も父も小柄でお酒を飲む時はゴハンは食べない。一方オットは男ばかり3人兄弟のうえ体育教師の父。カレー鍋はウチのパスタ茹でる鍋より大きかったっけ。
そんな訳で今回は急に背が伸びた成長期の息子がおかわりできる量を目指して作るコンロフル活用で夕食と弁当への使い回しをご紹介します。
- 1品 ツナポテサラダ:宅配2社を交互にとって飽きないように注文商品を工夫しています。この日はパック入りポテトサラダにツナ缶を足して、キャベツを数枚ざく切りにして投入、分量を増やしました。キュウリを切って彩りをトッピング。
- 2品 塩麹鳥:胸肉1枚または唐揚げ用1パック分(250gくらい?)に塩麹を大さじ1 杯、少し少ないなという程度に馴染ませて魚焼きコンロにぴったりはまるサイズのステンレス鍋にタマネギ薄切りを敷き詰めます。上に鶏肉を置き、焼き色がついたらうら返して弱火でグリルすると、タマネギに鶏の脂がしみこんでとってもジューシーです。
- 3品 ナスの塩焼き・長芋のチーズ焼き:オリーブオイルでシンプルな塩焼き。この後このフライパンをそのまま使うのですぐお皿へ。同じフライパンにオリーブオイル小さじ1杯を入れてから、長芋スライス(私はちょっと厚めが好き)を敷き詰めて、焼き色がついたらひっくり返してピザ用チーズたっぷりかけ、蓋をして火を止めちゃう。最後にパセリかバジルをかけると香りもピザ風でおいしいのです。
- 4品 豚汁風みそ汁(にゅうめん入り):みそ汁に豚コマをちょっと足してあとはいつものワカメと豆腐と人参で、ちょっとだけ残ったそうめんや緑豆はるさめを入れて「そうめん入っていた人は当たり!」とスペシャル感を演出。
- 5品 コロッケ又はメンチカツ(パック惣菜または冷凍):スーパーで買いました!
お気に入りのお肉屋さん手作りメンチカツの時は子どもが取り合いするので人数分以上に小さく切って時間稼ぎ。
お料理の記事なのに買ったお惣菜がメインという、恥ずかしい我が家の食卓ですが、子どもの食べる量が少ないことを心配するオットと、早く食べて早く片付けたい私の両方のストレス防止の観点から、電子レンジでチンするおかずも活用しています。
こだわりオットの影響で昨年から土鍋でご飯を炊くようになりました。これがお焦げ具合も自由自在にできて、歯ごたえとつやがあり、とても美味しいです。中学3年生と小学6年生が交代で、毎日のお手伝いとしてご飯を炊く仕事が定着しております。
夕食のおかずは翌日中学生のお弁当に転用されることも多く、朝は卵焼きだけを作って朝食と兼用します。父に似てこだわりの息子は弁当に必ず温かい汁ものを持って行くので、保温スープジャーがお気に入りです。
毎日帰宅してからの45分間で夕食を作ってしまうという手抜き(さぼり)母ですが、45分後には自分も座って一息つける、という気合いだけで日々乗り切っています。ネットのレシピサイトなど、子どもが小さな頃は使っていましたが、今ではうんちくオットの影響もあり産直やこだわり農家のちょっといい宅配野菜をそのままの味を楽しむ、という名の下に「炒めるだけ」「煮るだけ」のシンプル料理で素材の味に助けられてお料理しています。
私のたどり着いた手抜き技はズバリ「素材に手をかけすぎない料理が一番おいしい」です。飾らない色や形、そのままの風味のなかに子どもたちが季節の味覚や旬、食べる楽しさを味わってくれるといいなと思っています。
*児童育成協会「こどもの栄養」に会員が交代で執筆した連載を再掲載しています。