「子育てしやすい町」は?(前半)

「子育てを念頭に置いて、妻と新居探しをしたい」という相談が親の会のメーリングリストに舞い込みました。通勤、立地、保育園への通いやすさ、家族のかたち、自身の過ごしやすさなど、さまざまな意見が寄せられました。会員みなさんの体験とアドバイスを2回にわけて共有します。

突然のメール失礼致します。横浜市に在住していますYと申します。 昨年結婚しまして、現在妻と賃貸アパートで2人暮らしです。 近い将来順調にいけば今年か来年あたり子どもが欲しいという共通認識で、家族が増えた際には引っ越し賃貸のままか購入するかも検討中ですを考えています。妻曰く、「子 育てがしやすい町」に住みたいを条件に挙げています。

ここで皆様の意見をいただきたいのですが、女性目線で「子育てがしやすい町」とは具体的に何を重視しているのでしょうか?(治安でしょうか? 保育園の入園のしやすさでしょうか? 親の職場へのアクセスでしょうか? 公園の立地でしょうか?)

住まいのエリアとしては横浜市内もしくは東京23 区横浜駅からのアクセスがいいところ 希望を考えています。

皆様のお住まい地域もしくは知人の方の情報などで、魅力的なエリアがありましたらぜひシェアいただけますと幸いです。

妻自身も考えが漠然としていて、夫としてうまくリードして、家族が納得のいく選択を導ければと思っています。コロナで騒がしい時期に申し訳ありません。アドバイスいただける方には感謝申し上げます。

 

私の「子育てがしやすい」5つのポイント

Y様、はじめまして、Kと申します。3人家族で、子どもは保育園に通っています。今年4人家族になる予定です。

私も子どもが生まれる前に、同じようなことを悩みました。参考になるかわかりませんが、コメントさせていただきますね。

 

【私が思う、子育てがしやすい町】

①公園や自然が近くにあって子どもを安全に遊ばせられる環境がある

②保育園や学校などの施設が近くて通いやすい(≒安全な区域になっている)

③小児科などが近くにある(予防接種や急な病気で頻繁にお世話になる)

④スーパーやドラッグストアなどが近い(今はAmazonとかありますが…。オムツとか頻繁に買うので)

⑤だいたい上記のようなものがそろっていると、「子育て世帯」が多く、「ママ友」的なものも得やすい(不要な人もいると思いますが(笑))。

 

裏返しですが、

【子育てがしにくい町】

①ビジネス街や繁華街などが近く道路ばっかりで安心できない(+普段遊ぶ場所が近くにないと親子で大変&ストレス)

②保育園や学校が遠い、通うだけで大変(雨の日、寒い日、やっぱり大変です…)

③小児科が遠い(頻繁に行かなくちゃならないと大変です)

④スーパーやドラッグストアなどが遠くて、ちょっとしたものを買うのも大変。

⑤子育て世帯がそばにおらず、ママ友的なものもできず疎外感を感じる(かも)。

 

あとは、パパも「子どもが起きている間に帰りたい(20時くらいまでには)」などと考える感じでしたら、やっぱり職場に近いに越したことはないと思います。

 

なお私が住んでいるエリア(23区北部)では、だいたい①~⑤が整っている気がしますが、横浜駅には遠いところですね…。

上記を書いていて思ったのですが、「車」を持っていたりすると、またちょっと違うかも?と思いました(うちは車がないので…)

ご参考になれば幸いです。

駅から家までの距離も大事、ご近所づきあいの距離感も

Y様 東京都新宿区に在住のSです。

Kさんのお考えに私もほぼ同様の考えです。それにプラスして書かせていただきます(少々長くなります)

 

1.お住いもお考えとのことで参考まで

 

戸建ては、建ててしまうとそうは簡単に引っ越せないという問題があります。

それでも、駅から徒歩7~8分の戸建てを建てたのには以下の理由があります。

 

①都心の駅チカは流動性があるため資産価値がある。国内外への転勤もあるため売る、貸すというのも考慮。

 

私の地元のため、心地良いというのもあります。

住んでからは、町会に入会し、地域の催しに参加したりしています。

 →ここで子育て世代の方と知り合うこともあります。

 

近所の町会の方はご高齢の方が多いですが、お土産をお渡ししたり、逆にいただいたり子どもの保育園バッグを作っていただいたり、朝顔の種を蒔こうと誘っていただいいたり、会えば声を掛けていただくなどご近所様に恵まれていると感謝しています。

子育て孫育て経験のある方々が多く、今の保護者の気持ちも考慮してか、よく言われる昔の子育てアドバイスを押し付けてくるような方もなく良い意味で見守られていると感じています。住んでみないとわからないこともありますが、町会の方にお会いしてみたり、購入前に朝昼夜と時間がある時に周囲を見てみたり、どのような方がいるのか知るのも大切かと思います。

 

近隣の方はわかって下さるものの、子どもの泣き声が気になり、防音ガラスにしておけば良かったかも…と思ったこともあります。

断乳で1時間近く泣き止まなかった時は、民生委員さん以下ご近所の方々が家の前に集まっていました(汗)

 →お伝えしておくべきでした。

 

私自身は幾度かの引っ越しをしてマンション住まいで育ちましたが、親が敢えて1階にしていたのか階下の方を気にすることはありませんでしたが、上にお住まいの兄弟の走ったり跳んだりする音には、子どもながらに悩まされました(ーー;)

→ほどなくして引っ越しなさいました。

 

②年に3~4回彼の実家帰省や私の母(飛行機利用必至)に会うために、また、あちらから来る場合に便利なためでもあります。

今の住まいは東京駅まで1本、モノレールに乗るまでに1本で行ける場所です。

帰省以外にも、私は不要でしたが今後の里帰り出産や産後の手伝いなどについても考慮されると良いかと思います。

 

③わが家は車を持たないのと(必要時はレンタカー利用前提)保育園に入園できなかったときは、平日にベビーカーに乗せて電車でよく出かけていました。(動物園、水族館、公園、児童館)

 →これらの場所に乗り換えは最低1回で行けるか。この時に最寄り駅にエレベーター設置されているか、入り口はいくつあるかも重要なポイントです。

 

2.児童館

児童館は暑さ寒さ雨がしのげるので近くにあるか、要チェックです。

わが家は、保育園入園まで0歳児からよく児童館を利用していました。

お昼やおやつを持参して普段使いさせてもらったり、児童館ならではの小規模な運動会やハロウィンやリトミックなど様々な企画がなされ親子で楽しめました。

自転車に乗れるようになってからは、近隣区まで走らせて色々な児童館に行きました。

 →0歳児のみまたは乳児のみのスペースがあるかも確認した方が安心して遊ばせられます。また、お昼は一度閉館する所もあるので要確認です。

こちらでは同じくらいのお子さんを持つお母さん方と知り合えます。

子育てや保育園、幼稚園事情や兄弟姉妹がいる方だと、小児科や小児歯科、耳鼻咽喉科、眼科などの情報を得られることもあります。

 

3.買い物

アーケードのある商店街が理想ですが、なければ遅くまでやっているスーパーが家から近く、または駅の帰り道にあると便利です。(ネットスーパーもあるか…ただ時間での割引など対応してないことがほとんどかと)

 →妊娠中につわりがあったり、切迫流早産などになった場合は動きが取れないので応援がない場合、買い物全般含め家事は夫の役目になります(^_^;)

日常生活に終わりはないのと、子どもがいると一人で動くのとはまったく違った世界があるので、ストレスを感じにくい生活ができると良いですよね。ご家族で楽しめる生活が迎えられる場所に出会われますように(^^♪

 

静岡県と東京区部で子育てしてみて

Y様 世田谷区のHです。2歳男児、4歳女児の子育て中で、静岡県三島市(第一子出産・保育園通園)と世田谷区(第二子出産・保育園通園)での子育てを経験しています。

 

K様が回答されている住みやすい町の条件、S様が追加されている内容に同意します。世田谷区はそのような意味ではとても住みやすいなと感じています。うちの場合、夫婦ともフルタイム勤務なので、どちらかの職場が家に近いということは絶対でした。

三島市にいた頃も、現在も、私は約1時間、旦那は自転車で10分の通勤時間です。これは私にとっては、とてもありがたいです。(ワンオペだと、なかなか夕飯の支度など思うように進まずイライラして、子どもにあたりがちになってしまうので…)

 

多少残業して20時ころの帰宅でも夕ご飯を一緒に食べられますし、子どものお風呂は基本、夫が担当です。

そして、家や保育園に勤務地が近いことは、自然災害や子どものけがなどの万が一の事態に、夫(うちの場合)ができるだけ早く駆け付けられるというのは、私の精神安定剤になっています(笑)

 

その他に、自治体の子育てに関するサポート(政策?)も、育てやすさの一つかもしれません。その自治体の規模によってもまったく違うと思いますし、私の場合比較が極端なのかもしれませんが、自治体によってだいぶ差があるなぁと実感しています。

 

【私が体験してよかったなと思う自治体の事業】

・ブックスタート事業

・子育て支援センターなどでの身体測定会&子育て相談会(おおむね月1回 参加は自由)

・離乳食調理体験会(子どもの月例に応じて、初期・中期・後期の3回)

・子育て支援センターなど乳幼児遊び場が充実(保育士や看護師が常駐し、いつでも相談に乗ってもらえた)

 

【自治体によって差異が大きいと感じる部分】

・妊婦健診の時のエコー検査の料金!!

 →1人目の時は、毎回エコーをDVDに焼いてもらっていたけど、助成券を渡すだけだったのですが、

  2人目の時は、エコーをとると4~5000円取られてすごくびっくりしました!(友人に聞いたら、「東京はそれ普通だよー」と言われました…)

 

・保育園、幼稚園の数

 →多ければそれだけ選択肢が増えるのでメリットでもありますが、その分情報収集や、見学など、親の労力は半端ないです…

 

・子ども医療費の助成

 →18歳まで全額補助の自治体もあれば、小学校から一部負担となる自治体も(微々たる金額かもしれませんが。)

 

・保育料や認可外施設へ預ける際の助成

 →本当に当たり前ですが、その自治体によって算定基礎となる金額区分が全然違います。都内近郊は足並みがそろっているのかも?

 

ちまちまとしたことを書いてしまいましたが、実際に「えっ?こんなに違うんだ!」と思ったところを書き出してみました。

小さな子どもがいると、本当に行動範囲は限られてきます。電車で30分以上のお出かけは相当な覚悟がいります…(笑)車があるかないかでも全然違いますが、Yさん、Sさんが書いていらっしゃるとおり、家の周りに色々(お店や公園、神社などお散歩スポット)あると、子どもが小さいうちは暮らしやすいのかなと思います。長くなりすみません。ご参考になれば幸いです。

 

具体的なエリアですと、友人の話を聞くと、目黒区も住みやすそうです。また川崎市に引っ越しを考えたことがあるのですが、世田谷区の方がいいかなあと思いました。(環境という面では、同じなのですが、保育料の多子減免制度の考え方は川崎市より世田谷区の方がお得です)

 

あくまで個人的な狭い目線で感覚的なものですが…。なお、保育園→引っ越しの順番については、引っ越し先が同市区内か、もしくはすでに入った保育園に通える距離での越境引っ越し以外は難しいのではないかな、と思います。(保育園を申請する際、ほとんどがその自治体に住所があることが前提で、住民でない場合の申請だと 入園率はかなり低いはずです…)

 

保育園入園に関して「子育てしやすい町」

保育園を考える親の会の代表をしております普光院です。

Yさん、ご投稿ありがとうございます。Kさん、Sさん、Hさんが書いてくださったご体験、重要なことばかりだと思いました。

私は、保育園入園に関することを書いてみます。

家をお探しになるとき、保育園が近くにある物件に決めたら、隣の市区の保育園だったということのないよう、気をつけてください。首都圏は入園事情が厳しいので、隣の自治体の保育園に入れる可能性はとても低いです。(どこも自市区民優先)

保育園を考える親の会が調査している入園決定率で色分けした東京都の地図を添付しますので、よければご参照ください。(私の講演資料のため、タイトルが変ですが)「充実度チェック」には、神奈川県も入園決定率掲載していますが、地図にはしていません。

 

なお、入園決定率が比較的高い自治体の中にも入りにくい地域があったりします。

入園決定率はあくまでもその自治体の平均値ということになります。横浜市ですと、港北区は厳しいと聞いています。

このパワポで話した講演では、「保育園に入りやすい町はどうやって探す?」というコマで、次のようなことを話しています。

——

入園決定率は参考にしよう。

親の勤務先から通勤に便利な路線で入りやすそうな自治体をマーク。

住みたい「駅」のある自治体にその地域の保育事情を聞いてみよう。

自治体サイトで調べて、具体的な園名を出して聞くのもいい。

→「パートタイマーの方は入れていますか?」=パートタイマーが入れるということは点数が低くても入りやすいということ。

→「今年の4月には…」=未来のことは教えてくれないが、過去の実績はある程度教えてくれる。

クラスごと、園ごとの合格点を公表するところもふえている。

同じ自治体でも地域差がある。同じ沿線でも郊外の方が入りやすく、郊外でも急行停車駅近くは入りにくい。

——

と、ここまで書いたことは、すべて入園しやすさだけにしぼった街選びの方法です。実際には、ここまで皆さんがお書きになっているような住環境が、とても重要だと思います

また、みなさん自然があることを重視されていましたが、確かに子どもにとっては、環境は大切です。

東京都内は認可保育園でも園庭がないところが多くなっています。中央区、千代田区、港区などでは、ほとんどの私立認可保育園に園庭がありません。園庭がなくても、自然に恵まれた公園などに遊びに行けていれば大丈夫ですが、施設によっては保育士の配置も少ないと、外遊びが不十分になる恐れがあるので、注意が必要です。