「大丈夫?」

娘が10か月の頃、病気が見つかりました。泣き叫ぶ子供を押さえつけて、様々な検査を受けたり、治療をしたりするのに胸が張り裂けそうでした。病院の長い待ち時間、子供が少しでも楽しく過ごせるようにと、手袋シアターや絵本の読み聞かせを必死でやりました。

そんな時に、私が肺炎となってしまいました。仕事が休めず、39度の熱の中、這うようにして保育園に子供を連れて行った時、園長先生から言われました。「お母さん、土曜日休みだよね?子ども預かるから、寝なさい。大丈夫。寝たらよくなる。」

私は、先生の言葉に甘えて、娘を預けて、1日爆睡。元気になりました。

その後、毎日のように、「大丈夫?」と声をかけてくださる園長先生や担任の先生方に支えられて、娘の治療もどんどん進んでいきました。

そんな環境だったからでしょうか。娘は「ママ」というよりも先に、「大丈夫」と話すようになりました。娘は初めてのことでも、「大丈夫!がんばろ!」と言いながら、果敢に挑みます。できないときには、「ダメ!たすけて!」と言います。私が辛そうな顔をしていると、「大丈夫?」と聞いてきます。だから、私も娘を見習いチャレンジをする、でも無理なら「助けて!」と言えるようになっていきました。

「大丈夫?」なんとパワフルな言葉でしょう。

*公益社団法人 全国私立保育園連盟「保育通信」に会員が交代で執筆した連載を再掲載しています。