ママ

<2018年に寄稿されたものを掲載しています>

私の愛する息子、かいけんと(甲斐賢人)君は今年12月で4歳になります。

生きていれば、そこらじゅうを駆け回り、遊び、笑い、箸も使えるようになってきっと好きなものばかりたくさん食べ、言葉も話せるようになり、嬉しい言葉や困ってしまう言葉をたくさん私に投げかけてくれたことと思います。

2016年3月11日、私の家族にとって悪夢の日、株式会社アルファコーポレーションが運営する「キッズスクウェア日本橋室町」で、息子はたった1歳2か月で一生を終えることとなりました。

午睡時「起きて泣く」という理由で、息子は一人だけ使われていない別の部屋にうつ伏せにされ、その日、そのまま2時間以上誰にも顧みられず放置され、無念の最期となりました。

この原稿を書いている日の数日前、久しぶりに夢の中で息子に会えました。

嬉しくて、嬉しくて「ケンちゃん、生きていたの?生きていたの?」と言いながら賢人を抱きしめました。賢人はそうだよ!と言わんばかりの笑顔で「あのね、ママ、ぼくね」と、たくさん話し始めました。私はただただ嬉しくて、ずっと賢人を抱きながら話をきいていました。

そして、眠っている私は息子に会いたくて「けんちゃん、けんちゃん」と賢人を追い求め、夢から覚ましてしまい、すると息子はまた消えているのでした。

私はずっと「ママ」と呼ばれたくて、それが叶い、とても嬉しかったです。