見守っていてよかったです

年中の息子は、次の行動に切り替えることが苦手だ。年少で通っていた保育園では、保育者からの次の行動をうながす声掛けが全く届かず、強い指導が続き、ついに息子は登園拒否。思い悩んだ末に、年中から自由な環境の保育園に転園した。

 転園してしばらく経った頃、担任の先生から次のことを言われた。

「砂場でお店屋さんごっこをして遊んだ後、皆でお片付けをするとき、息子くんは片付けをせずに部屋に戻ったんですよ。」

私の顔が曇っていたのだろう。私の表情をみて、担任の先生が慌てて言う。「ちがうんです。そのあと、息子くんが紙に「へいてん(閉店)」と書いた看板を持ってきてくれたんです。見守っていてよかった。息子くんの素敵な発想を潰してしまうところでした。」と嬉しそうに教えてくれた。

親の私でも片付けをせずに違う場所に移動したら、息子を叱っていただろう。先生は、目先の行動ではなく、息子がしようとすることを信じてくれたのだ。信じてもらった息子は、保育園が大好きで毎日が楽しいと話している。また、やさしい言い方でも行動を切り替えられることが増えているそうだ。「見守るとは、子どもを信じて待つこと」なのだと先生から教えてもらった気がした。