「お母さん、すてきです!」

娘は、3歳児の4月に家庭的保育室から認可保育園に移りました。3歳児入園はひとりでしたが、大きな園舎とたくさんの子どもたちに大興奮、喜んで通い始めました。けれども4月半ばあたりから、“みんなはみんなのことをよく知っているけど、自分はみんなのことを知らない”と改めて気づいたようで、緊張や不安の表情が増えました。

そんな時、娘は初めて同じ組の友達から手紙をもらいました。帰り道、それを保育園に忘れてきたことに気がつくと、大泣きして「取りに帰る~!!」。

その日は雨、我が家はもうすぐ。忙しい家事育児も頭に浮かびイライラ。忘れ物ごときで戻るのも恥ずかしい。でも今の娘にとって手紙は格別なのもわかる。……仕方ないかと園に戻ると、気づいた担任の先生が声をかけてきてくれました。事の顛末を話すと、先生は笑顔でまっすぐ目をみて言いました。

 

「お母さん、すてきです!」

 

言われ慣れない言葉に驚きつつも、うれしかったです。私の判断も葛藤もまるごと肯定された感じがしたのです。同時に、感じたままを素直に伝えてくれる若い先生の姿が、子どもを真ん中にして、人と人としてつながっていくうれしさを感じさせてくれました。それは園への安心感につながっていったように思います。

親子ともに大好きになった保育園生活始まりの時期の、忘れられないエピソードです。