お母さん、お家で保育してるでしょ。 家では堂々と子育てしたらいいんよ。

保育の仕事を経て別の職に就き、母になった私。育休は1年。終わりが明確な子育ては毎日がただ愛しく、子ども中心で生活を送りました。

復帰後の生活は想像以上にハードで苦戦。近くに頼れる親類がいないのに、夫は仕事は休めないと譲らない。専業主婦家庭に育った夫婦は働く親のモデルを持たず、睡眠を削り、ただ頑張る。「どうして親なのに、子ども中心の生活をしないんだろう」。昔の私がそう思っていたから「いい保護者」でないことも苦しかった。

娘の保育参加の日、私の様子に担任が笑いながらこの言葉をかけてくれた。一瞬、意味がわからなかったが「保育と子育ては別のもの」と言われて、何かから解放されたような嬉しさが胸に広がった。

確かにそう。園は子どもを中心にできる環境が整っている。例えば園舎。保育しやすい導線、子どもの背や手になじむ机に椅子、水場に便座。給食室には調理員さん。でも家はちがう。行きたくないと言われても買い物に同行、遊びたいとせがまれてもご飯や洗濯。子どもは8時間ではなく24時間の中で生きている。

「私も失敗して、泣いたから」。担任と失敗を語り合えた日、改めて先生は子育てのパートナーだと思え、本当に心強かったです。