保育園を考える親の会は、2023年9月10日(日)の午後、フォーラムあざみ野にて「はじめての保育園 in 横浜」を開催しました。
本イベントは、男女共同参画センターとの共催で、青葉区役所のご協力をいただき、毎年開催しているものです。2020年からコロナ禍でオンライン開催になっていましたが、3年ぶりの対面開催となりました。
一部になりますが、内容をレポートします。
<プログラム>
13:30 開会
13:40 男女共同参画センター横浜北 ご挨拶
13:45 保育園の基礎知識
区役所ご担当者とのQ&A
<休憩>
14:45 先輩パパ・ママトーク
15:50 閉会
<主な内容>
1.保育園の基礎知識
青葉区役所こども家庭支援課の小森係長、望月氏より、保育施設の種類や特徴、入園手続などについてご説明いただき、参加者からのQ&Aにもお答えいただきました。
[保育施設の種類]
①【認可】認可保育所、地域型保育事業、認定こども園(保育利用):区役所に申し込む。保育料は保護者の所得に応じて横浜市が定めた金額。
②【認可外】横浜保育室、企業主導型保育事業、その他の認可外保育所:それぞれの施設に申し込む。保育料はそれぞれの施設が決めた金額。
③【幼稚園】幼稚園、認定こども園(教育利用):3歳以上児が対象。申し込み方法・保育料は施設によって異なる。教育時間の前後に預かり保育を行なっている場合、就労家庭も利用できる。
[入園手続き・利用調整等について]
○園選びは見学をして、じっくり検討しよう。選択肢を広げることで内定の可能性が高まる。
○利用定員を上回る申し込みがあった場合は、提出された書類に基づき区役所が優先順位をつけさせていただき利用調整を行う。
○令和6年4月入園希望の方は、10月10日から配布される利用案内を取り寄せること。
○申し込みは居住する区に。横浜市内であれば、他区の園を希望してもよく、入園に有利不利はない。
○保育の申請は、毎月できる。一度行えば年度内有効。保留となっても出し直す必要はない。仮に令和5年11月入園と令和6年4月入園の両方の申し込みをする場合は、ほぼ同じ時期に2回申し込むことになり、早い方の入園が決まれば、後の方の入園申請は自動的にキャンセルになる。
○申し込み締め切り後に出産予定の場合も受け付ける。ただし、令和6年4月入園は、一番早くから預かる産休明けで入園するとしても、4月1日までに生後57日になっていなければならないため、2月4日までに生まれたお子さんが対象になる。
○利用調整にあたっては、世帯の保護者の低い方のランクで判定される。
○在宅勤務が中心の方も、利用調整基準では居宅内労働と居宅外労働で差をつけていないので、不利になることはない。
○利用調整は申請書に書く希望園の数や、希望順位での有利不利はない。
○入園が決まった家庭は、希望園を8〜10園程度書いている場合が多い。
[Q&A]
Q:2歳までの小規模保育園などに入った場合、3歳以降はどうなっているか
A:幼稚園、認可保育園などに入園している。小規模保育の場合は3歳クラスから優先的に入れる連携園(認可保育園)が設定されている。
Q:時短で働く場合のランクはどうなるか?
A:働く時間が短くなってしまうと、ランクが下がってしまう場合があるが、育休前の実績で判定される。
Q:全部落ちてしまったらどうしたらいいのか。
A:認可外保育施設に預ける人が多い。一時保育、ベビーシッターを利用したり、親族に預ける人もいる。2月上旬に認可の1次申請の結果が出ると認可外の状況に動きが出る。希望者が多かった認可外に空きが出るというようなこともあるので、そこで動くことも考えられる。
2.先輩パパ・ママトーク
代表・渡邊寛子がコーディネーターとなり、4人の先輩パパ・ママと体験や両立の知恵を話し合いました。
[保活のスケジュール・園選び]
○申請の準備では、締切日の2週間前ぐらいまでには書類を揃えておくと不安が少なくなる。
○保活・園選びの前に夫婦でどんな子どもに育ってほしいかという視点を合わせておく。保育園を考える親の会のチェックポイントを参考にしてほしい。複数の園を見比べるとわかることがある。
○候補園のリストをつくる。子どもの成長を視野に入れて通園方法も考え、通える範囲を考える。車通園可、自転車を置いておける駐輪場があるという園があると、通園できる範囲は広がる。
○横浜市は入所待ち人数を公表しているので、入園の競争率がわかる。ただし、競争率や利便性だけでなく、保育内容に十分に目を向けることが大切だと思う。
○園の様子、園長や主任の話を聞くことは大切。保育士の人数を多めに配置している園もあれば、基準ギリギリの園もある。第三者評価も参考になる。ただし、点数などはあまり鵜呑みにできない。
○保育園・幼稚園で区別するのではなく、その園でどういう保育をしているかを見たほうがいい。わが子は自宅からの近さで幼稚園に入園させたが、結果的に子どもの主体性を大事にしてくれる素敵な園だった。保育園にも素敵な保育をしているところはあるし、幼稚園でも画一的な保育をしているところもある。保育園か幼稚園かというのではなく、自分の子どもがどういう生活、どういう育ちをしてほしいのかというところから考えたらよいと思う。
[育児休業をいつまでとるか]
○育児休業をあまり長くとると子どもが集団保育を受けられないことがデメリットになるのではないかというご質問もあったが、そこは心配しなくてもよいと思う。それよりも、私の場合は、長くとることで、職場復帰がちゃんとできるかという不安や、一日中子どもといることの負担感のほうが大きかった。そういう親の気持ちも大切だと思う。
[入園後の生活について]
○アレルギー対応について。かかりつけ医の診断書がないと園はアレルギー対応をしてくれない。アレルギー外来が混雑していて診断書をとるのがなかなかたいへんだった。アレルギー解除にも診断書が必要。年度ごとに提出するので、アレルギー外来には早めに予約を入れるようにしていた。
○3番目の子どもが哺乳瓶を断固として嫌がる子どもで、慣らし保育が進まず困り果てた。先生がスポイトで口の横からミルク入れてくれて、少しずつ飲めるようになった。子どもにもよるが、哺乳瓶を練習したほうがよいこともある。
[子どもの病気について]
○病児保育について。事前に利用登録が必要。年度ごとに登録する。我が家の場合は、園から呼び出しがあって帰宅したら夫と翌日以降どうするか打ち合わせをした。テレワークでしのぐことも多かったが、病児保育も利用した。利用するときは、事前に医師の診断を受ける必要がある。いつもとは違う場所に行くので、入園前に子どもと一緒に行って場所や所要時間などの確認をしておくとよい。
○東京女子医科大学の統計によれば、病気で仕事を休んだ平均日数は、0歳だと19日、1歳で13日ということで、休暇がなくなるおそれもあるので対策を準備しておいたほうがよい。
○保育園時代にたくさん病気をした子どもも、小学生になった今はとても丈夫。免疫ができてどんどん丈夫になると思って頑張ってほしい。
[職場の理解を得る]
○子どもの病気で急に仕事を休むことがあるので、仕事を前倒しで終わらせておくというのは、ひとつのコツ。困った時は助けを求められるように、仕事を周囲と共有しておくことも大切。できることは最大限にやるとことで信頼貯金をしておこう。
[家事と育児の分担]
○復職前と復職後の生活を書き出して見える化する。どういうふうに生活を回していくのかを打ち合わせておく。
○夫婦の分担。パネラーのタイムスケジュールを紹介。
○(お父さんの立場から)子どもとの生活はハプニングが多くて、分担の計画を立ててもうまくいかないことは多い。夫婦で話し合って日々ブラッシュアップしていくことが大切。
○(お父さんの立場から)自分がやっているつもりでも、妻からダメだしされることはある。子どもが母親でないとダメということもある。そんなときは、ほかに自分ができることを率先してやるようにしている。自分がやった家事を妻にやり直されてしまうと心が折れるので、お母さんも理解してうまく対応してほしい。
※「はじめての保育園」ほか過去のイベント開催報告はこちら