保育園の父母会活動について

保育園の体操教室

お子さんが通っている(た)保育園には、父母会はありますか? どのような活動をしていますか?全家庭必ず参加で会費や分担を求められる園や、「できる人ができる範囲で」を前提とする園、父母会組織自体がない園もあり、求められ方も保護者のかかわり方も実にさまざまです。ある会員から、父母会に非加入であることにまつわる悩みの相談がありました。それを受け、「子どもの幸せのための父母会」はどうすればできるのか、公平で適正な運営のために保護者が働き掛けることについてまとめました。

※このテーマについてはたくさんの投稿がありましたが、今回は保護者組織の運営の問題に絞って編集させていただきました

保育時間内の父母会活動

皆さま、Q市のQです。保育園の任意組織である父母会の件で過去にご相談させていただきましたが、また困ったことがあります。どなたからでも、ご助言、お考えをお聞かせ願えませんか。

わが家は父母会は非会員です。入会しない理由は様々ありますが、入園以来、夫婦で一致した考えのもと、非会員を貫いています。非会員はわが家の他に、若干名しかいません。

父母会では平日の日中のいわゆる保育時間に、演劇会や体操教室などを行うなどイベントが父母会の活動の主体です。その1年間の行事予定が書かれた議案書を、非会員のQさんには渡しません、質問は受けませんと、クラスのグループLINEで言われました。

保育時間の外で行われる場合はまったく情報をいただかなくて構いませんが、保育時間内に、園舎の中て行われる行事の予定が、会員、非会員を区別してタイムラグを含む情報格差を故意に与えることは、公立保育園の公共性からも、「子どもの幸せのための父母会」という理念からも矛盾していると思います。

またこういった情報格差を望まない家庭に対する、不本意な入会を煽っているともとれるグループLINEでの会長からの回答には悪意を感じてしまいます。会則はありますが退会規定がなく、退会を意思表示した家庭も、翌年には会員扱いとなり、事実上の強制参加になっています。

私の考えでは、保育時間中に行われる行事、イベントのお知らせは、会員、非会員関係なく、同時に開示する(掲示板に貼るか、電子版を貼る)のが正しい姿だと思います。特にコロナ禍で外部業者が入るような行事には参加を控えたいため、その場合は保育園を休ませなければならず、仕事の調整も発生するし、中止なら中止と早く知らないと不利益になります。いかがなものでしょうか。

父母会には入らず、イベントの手伝いを申し出てみる!?

Qさま、W@S区です。Qさんの下記の文面

> 私の考えでは、保育時間中に行われる行事、イベントのお知らせは、会員、非会員関係なく、同時に開示する(掲示板に貼るか、電子版を貼る)のが正しい姿だと思います。

私も同意です!と言うのも、今、小学校のPTAで会員、非会員問わず、どうやって情報を届けるかが課題で話し合っている渦中な事もあり、激しく同意です(^^)

コロナ禍で保護者の情報やり取りが大事であると痛感したものの、個人情報保護の観点で各クラスの連絡網もなくなり、あるのは学校からの一斉配信メールのみ。PTA のご案内での活用ははばかられるのでメーリス作成予定ですが、どのような手順で進めれば賛同を得られるのを目下役員で検討中です。

話がそれてしまいましたが、父母会役員さんの対応の裏にある気持ちを考えると、「私たちはこんな大変な思いをしてやっている活動なのに、その恩恵だけ預かろうなんてズルイ」という感情が透けて見えて来るような気がします。

もし、私のこの推測が正しいと仮定し、父母会には入りたくない!でも、こんないわれのない嫌がらせ(?)は受けたくない、じゃあどうする?と考えてみた時に導き出された答えは、「父母会には入らないけど、イベントのお手伝いはさせてください」と申し出てみるかな、と思いました。

話はそんなに簡単なことではないかもしれませんが、お手伝いしてくれる人にスケジュール明かさないというのは考えにくいですし、善意でお手伝いを申し出てくれた人をむげにもできないかと。でも、Qさんは外部の方が入るイベントは参加を控えたいとのことですので、今から参加するのも難しいかもしれませんね……。

もし今後も同じようなことが続く場合を考えると、やはり私はイベント主催者になって、この辺もコントロール掛けちゃうかもしれません。外部の人を入れなくても楽しいことはたくさん出来ますしね。

もともと父母会活動は任意のボランティア活動です。やりたいことを少しずつ皆で力を合わせて成り立たせていく活動ですので、その大前提に立ち戻って考えてもらえたら受け入れていただけるのではないかと思います。

「父母会の規約に疑問があるので入会はしません!でも、お手伝いはします!!」のスタンスで。皆、子どもたちのことを思っての行動の結果ですし、保護者が手を取り合って子どもたちの楽しみの機会を今後も作り出していけると良いですね。

保育時間中の行事の責任は、保育園にある

みなさま、普光院です。Qさんのご相談で私が注目したのは、保育時間中の父母会行事だという点です。

保育時間中の行事の責任は、保育園にあります。保育園の保育の一部として、保育園が計画し、実行し、振り返りをし、子どもたちのためによいものとなっているかどうか、保護者が参加するのであれば、子育て支援になっているかどうか、などを検討すべき立場に保育園はいます。父母会が主体となったイベントであったとしても、同様です。たとえば、保育時間中に外部の体育講師が行う体育プログラムの質が悪かった場合、保育園にも責任があるのと同じです。
 
> 保育時間中に行われる行事、イベントのお知らせは、会員、非会員関係なく、同時に開示する(掲示板に貼るか、電子版を貼る)のが正しい姿だと思います。
 
というQさんのご意見は当然と思います。保育時間中の行事に一部の保護者の関与を排除する権限は父母会にはなく、園を通じてでも、同じ情報が行き渡るようにすべきと思います。公立であれば、区に申し入れをしたら即修正されるのではないでしょうか。
 
ところで、実は、私立保育園の保護者会についても、最近ご相談をいただいています。その保護者会は、バザーをして売り上げを園に渡しているような保護者会なのだそうですが、

・その使途が不明である

・活動が強制され仕事を休まないとならなくなる

・そのため退会したらその方のお子さんにだけ行事のお土産がなかった

・退会にあたっては役員から詰め寄られた

などの事件が起こっています。

保育園を考える親の会は保護者の自主的な組織やその活動を応援するという基本方針を持っていますが、そのあり方がおかしいときは、おかしいと言わなければなりません。

・保護者会への在園児家庭の加入を任意とすること(強制する権限はないこと)。

(ただし、子どものためにという目的を明確にして加入を強くお勧めすることは私は反対ではありません)

・保護者会加入の有無で子どもが受けられる保育に差をつけないこと。

・保護者会が寄付やバザーに保護者を協力をさせた場合には、その使途を公開すること。

・保護者会活動のために、保護者が仕事を休むことを強制されることのないようにすること。

ということは必要ではないかと思うのですが、みなさんはどう思われるでしょうか。

内部から改善するしか?

T@K市です。うちの保育園の保護者会も全員参加強制です。保育園自体が子どもは保育園・家庭・地域で協力して育てるべきという理念の保育園なので、保護者会は参加するのが当たり前、保護者は各世帯必ず何らかの委員にならなければなりません。

ちなみに保護者会の規約には退会は、退園する場合の会費返還に関する記載しかありません。正直負担は重いので、保護者会の負担が重すぎるからと転園して行く家庭もあります。皆負担が重いことに不満は抱いていますが、子どものためにと我慢しているのが実情です。

保護者会をなくすべきという意見の人に、保護者会をなくしたら(保育園と共催の)夏まつりがなくなるかもしれないけどいいんですか? と言って説得したという話も聞きました。

> 父母会役員さんの対応の裏にある気持ちを考えると、「私達はこんな大変な思いをしてやっている活動なのに、その恩恵だけ預かろうなんてズルイ」と言う感情が透けて見えて来るような気がします。 

とWさんのご意見にありましたが、まさにうちの保育園のことだと思いました。保護者会会費をきちんと払って、平日や休日の時間を削って子どもたちのために活動しているのに、何もせず恩恵を受けるなんて虫のいいことが許せるか、という心境なのです。

私自身は保護者会には賛成で、活動が嫌いなわけではないのですが、もっと楽ならいいのにと思わずにはいられません。ただ、活動のスリム化をするにしても規約を変更するにしても、まずは保護者会で活動して全体の活動内容を把握するところからスタートなので、最低でも1年は活動内容把握、内容改善は2年目以降となります。委員会が5つあり、続けて同じ委員になれる保証がないので、同じ委員になれなければ1年目の活動内容把握は水の泡になってしまいます。

ちなみに、保護者会の負担が重いとはいえ、そのために仕事を休まなければならないということはないです(保育参観のために休まなければならないことはありますが)保護者会への負担の重さが保護者会への不満につながると思うので、以前このメーリングリストで話題に出た、やりたい人が気軽に活動できるゆるい保護者会というのは羨ましいなぁと思います。

そんな保護者会ですが、1世帯だけ保護者会非参加の家庭があります。家庭の事情で園児の氏名が非公表なので、保護者会の連絡網に入らず、保護者会会費も払わず、保護者会の活動だけでなく保育園のイベントにも参加していません。

ただし、(子どもごとに)ウォールポケットがあるので、連絡が必要な場合はお手紙を入れることは可能で、保護者会からのお便りはウォールポケットに入れています。年間計画は保育園から配布されます。保護者会の主なイベントは保護者会総会・夏まつり・親子遠足・文集作成で、保育園と共催のイベントは夏まつりのみなので、保育園の年間計画さえあれば特に支障はないです。保護者会非参加という選択肢があるということにびっくりしたのですが、園長先生からは、これは特例なので今後も保護者会には参加してもらうようにしてくださいということでした。

保育園の保育時間内に実施されるイベントであれば、非会員には公開しないというのはおかしいと思います。保育園がその情報を知らないはずはないので、保護者会で教えてもらえないのであれば、保育園に教えてもらうようにすればよいのではないかと思います。

Qさんが保護者会に参加しない理由はわかりませんが、保護者会の活動に不満があって参加していないのであれば、保護者会に入って内部から改善するしかないと思います。

例えば退会規定がないのが不満といっても、その規定を変えるには保護者会の会員の同意がいるわけで、それは非会員がいくら文句を言ったところで意味はなく、保護者会に入って会員を説得しなければ変えることはできません。一番手っ取り早いのは、保護者会のない保育園に転園することだと思います。そうすれば保育園時代は保護者会に悩むことはありません。

父母会の必要性・意義は?

D県在住のIです。年中と0歳を認可保育園に通わせています。3年前に認証保育園から転園しました。どちらの園にも父母会はなく、私は必要性を感じていないので、父母会に参加されていらっしゃる方に、具体的なメリットをご教授いただきたいなぁと思っています。

おそらく父母会には、園に対する親目線の意見を言いやすくする、という役割があるのかなと推測しているのですが、その点に関しては、私が通わせている園では、何か意見があるときには意見箱に入れるシステムで、その内容は園の回答とともに掲示板に貼られて共有されるので、親側でどういう意見があるか、それに対する園の見解が随時把握できます。

それ以外でも、意見がある場合は直接園長に伝えます。園長の考え方は基本的に信頼しているので、そのうえで、自分の考え方を伝えて、擦り合わせています。ときには文章でまとめて提出することもあります。私は保育園を20園以上見学しましたが、園長の考え方に共感できるかが、選択する上で一番のポイントでした。

前置きが長くなりましたが、今回のQさんのケースでは、保育時間内に行われることが、非会員であるからといって子どもに不公平に影響を与えるのはやはりおかしいと思います。

もし、私だったら、と考えると、親側で非会員で少数派の場合、園長先生にサポートをお願いするか、会員のなかで意見を聞いてくれる方を探すと思います。

でも、力業で意見するとなかなかうまくいかないので、日頃から意見を言いやすい関係性を築いておくことが大事かなと思いました。

家庭・保護者ごとに「子どもを支える方法」を選べたら

Qさま 普光院さま  皆さま、Sと申します。わが子の園も同じような体質の園です。入園時は、全員参加、強制加入という説明でした。活動は保護者の負担も大きいのですが、「子どものために」我慢しているという方が多かったです。

卒園間近に、特例として参加されていない方が1~2家族あると聞きましたが、理由は伏せられていました。園の方針もあり、父母会に加入していても、中から変えていくのは無理でした。活動を楽しんでいる方も大切に思っている方の権利もあるわけで、父母会を変えることより、せめて自由に退会できたらと思いました。

一方で、小学校のPTAは今年から任意加入、年度ごとに入会、退会を選べるようになりました。退会したからと言って、子どもに不利益はないと明言されると同時に、PTAは子どものための応援団なので、参加してほしい。役員の仕事に無駄があるなら、変えていこうという呼び掛けがあり、今後に希望をもっています。

各家庭の状況、保護者の就労の状況も様々な中で、「子どものため」になる活動もまた様々です。理想論かも知れませんが、父母会の方針と意志が合致する方は入会されたらよいし、非加入を選ぶ方は違う方法で、子どもを支える方法を考えられるようになればいいと思います。

非会員の理由と現状

皆さま、Qです。ご意見、ご助言多々くださり感謝申し上げます。本件、引き続き、どなたからでもご助言をくださいますと幸いです。

普光院さん、ご助言ありがとうございます。皆さま全員の方のご意見のひとつひとつがとても勉強になりました。父母会の非会員の理由は記載するほどのものでもない運営の問題ですが、例として

【強制加入】

○入園式の後に別部屋に全員誘導されて、父母会について説明なく署名用紙を書かされ支払いをさせられ会員となる

○父母会に入会しないと、子どもにクリスマスプレゼントがもらえないから、可哀想だから入会するようにグループLINEで連絡がある 

○父母会に入会しないと、保育時間中に父母会が主催する演劇会に子どもが参加できず、別保育になる

○退会規定がなく、退会の意思表示をしても受理されない

○強制役員決め(役員決め会議の欠席者を会長、副会長に当て込み、発熱等で欠席した家庭にその場で電話をかける) 

○父母会が保育時間に主催する体操教室のホームページがなく乏しいプロフィールしか掲示されなかったため、父母会に講師の経歴を確認したら「総会で承認された。詳細は忙しいから回答しない」と回答が来た

○父母会を廃止してほしいという意見収集をあるパパさんが行おうとしたら役員が全力でもみ消す

○同調圧力でみんなお母さん同士のお付き合いのために、嫌でも我慢する方を選ぶ

などなど、異なる意見を認めないような運営態度に辟易しました。非会員ながら園長、区役所を巻き込んで様々で是正を毎年、父母会に行いました。上記はだいぶ是正されましたが、自分のわずかな貴重な自由時間は、今後はこういうことには使わないことにしました。

その代わり、子どもを狙った犯罪が絶えないため、最寄りの警察署に定期的に保育園周辺のパトロールを依頼したり、自宅のキレイ目な絵本やおもちゃを提供させていただいたりして、個人的に保育園の皆さまに貢献することにしました。クラスの皆さんにも非会員の理由と、こんな形での貢献をすると伝えました。

私の考えでは父母会は、保育園の運営や園舎にかかわる重大な問題が起きないための意見集約や伝達を行政や園に対して行うこと(実際にはとても区役所が有効に働きかけをして下さり、むしろ御礼を伝えるようにしています)が役目だと思うのですが、そのような機能を持ち合わせていません。父母会を存続することにより保育園生活に支障をきたす家庭が多いのが、わが園の現実です。

公平で適正な運営のために働き掛けること

こんにちは、Tです。私も、子どもを3人地元の公立小学校に通わせてきて、今でこそ、年長者になったので、何か意見しても耳を傾けてもらえますが、若い頃は、心にも思っていないお世辞を言うのが苦手で、空気を読むのも苦手で、社会的ステイタスの高い夫を持つ専業主婦の方々からのイジメに苦しみました。

日本社会の同調圧力の強さや、そもそも人権や公平性や民主的手続きについて、確固たる認識を持っている人の少なさなどから、役職者によるアンフェアな運用が、国政レベルから町内会・PTAレベルまで、隅々にいきわたっていますね。

そんな中、

  •  親の属性や経済力や父母会への労力提供の可否・程度にかかわらず、子どもたちを公平に扱うこと
  •  公共事業としての保育園・幼稚園・こども園・公立学校などでは、社会的に不利な環境にある子どもには手厚く処遇することによって、アウトプットとしての公平性を実現すること

などは、常に目を光らせて、介入し続けないと実現できないものだと痛感しています。私自身、保育園の保護者会や、小学校のPTAには積極的に関与してきましたが、(現在も子どもの小学校のPTAの本部役員をしています)それは、中にいないと、運用の問題点について適時適切に指摘して修正できないからです。

「誰よりも」とは言いませんが、その集団のメンバーに、一目置かれる程度には、自分自身の労力を割き、貢献することによって発言権を確保することで、その団体が、公平で適正な運営がなされるように働き掛けていくのが、民主主義の実践かなぁ、と思っています。

時間と手間を考えると、面倒くさいと思ったりもしますが、わが子も、社会からの影響を受けて育ちますので、社会のありようが、公正さよりも「自分さえよければ良い」だったりするのは、自分の子どもに良くない影響を与えると思うし、働き掛ければよりよい社会が作れる、ということを子どもに見せることも大事だと思い、PTAのボランティア活動に時間と労力を割いています。

直接的に報われることはないかもしれませんが、ひどいPTAや父母会であればあるほど、脱退して距離を置くよりも、中に入って自らの手で変えていく努力をしたい、と思っています。

そうはいっても、仲間を自分入れて3人見つけられることが、変えられるか変えられないかの分かれ目だと思います。会議の場で、1カ所に固まらず、戦略的にバラバラに座って、こっちからもあっちからも、支配的な人に対する批判的意見が出る、という状況を演出することで、「なんとなく変だな」と思っていたサイレントマジョリティを動かすことができます。

なので、仲間を自分以外に2人確保できないときは、集団を変えることを諦め、闘いからは撤退して、自分の子どもを基準に部分最適を図らざるを得ないこともあります。そこは、ケースバイケースかな、と思いますので、撤退した人を責めるつもりもありませんし、そういうこともあるよね、です。ご参考になれば幸いです。

父母会の存在よりも運営に問題あり

K@C区です。このトピック、すごい盛り上がりを見せていますね。私自身、保育園・小学校の保護者だったのはかなり前のことですが、読みながら、当時の父母会やPTAのことを思い出す、思い出す……(笑)。

皆さんの投稿を拝見していますと、父母会やPTAなどの保護者組織の存在自体については、必要だ、あるいはあった方が良い、というご意見が大部分のように感じています(その理由は、行政との交渉窓口とか、保護者同士の交流・情報交換とか、子どもたちへのイベント提供とか、色々あるとしても)。

疑問や問題が集中するのは、運営のあり方なんですよね、結局のところ。これが、各園(の父母会)や学校(のPTA)によってまちまちですし、同じ園や学校でも役員など中心的な役割についている人達の考え方によっても変わってきますし、構成員(保護者)の感じ方・受け止め方も1人1人違うため、「これが正解!」といったものがなかなかなくて、うーん、難しいなぁ、と思います。

そんな中で、Tさんの、

> 日本社会の同調圧力の強さや、そもそも人権や公平性や民主的手続きについて、確固たる認識を持っている人の少なさなどから、 役職者によるアンフェアな運用が、国政レベルから町内会・PTAレベルまで、 隅々にいきわたっていますね。

このご指摘は重要なポイントだと感じました。人権の意識がキチンとあれば、いじめ・ハラスメントはぐっと減るはずですし、個人情報やプライバシーももっと守られるでしょう。民主的手続きに則った運営がなされていれば、会費のよくわからない使い方とか、役員を強制的に引き受けさせるなども、発生しないはずですよね。

でも実際には、ジャンケンやくじ引きが「公平」だと考える人、多数決が「民主主義」だと認識している人(最終的な手段としてでなく)、少なくないのがこの日本ですので…。運営のあり方を、人権・公平性・民主的手続きといったものをベースに考えるのか、それ以外のもの(たとえば前例踏襲主義とか)をベースに考えるのか、によって方向性がかなり違ってくる気がします。

これからの時代、前者を重視する組織でないと、持続可能性がない(特に、父母会やPTAのような、本来ボランティア活動であるもの)のではないかなーと思います。

ただ、民主的手続きには、時間も手間も労力も(ついでに言うと、精神力も)必要なんですよね…。しかも、民主的な合意形成の経験というか訓練の機会というか、そういったものが(私自身も含めて)日本人にはかなり乏しいのが実情だと思うので、いざ「変えよう」とか「これヘンだよね」などと考えても、実行するのにすごいエネルギーが要ることになってしまっているのでは。

「公平性」は更に難しくて、公平性が大切ということ自体に異論はなくても、何をもって公平と捉えるかは、かなり人それぞれだと思います。この点は、日本人に特徴的なわけではないと思いますが。

父母会やPTAでも、「1人1係」とか「ポイント制」とか「卒業(園)までに1回はやる」とか、公平を目指す工夫や努力には意味があると感じる一方で、それらはあくまで活動の負担についての公平性であって、それ以前の各人の「事情」が公平でないことを考慮に入れるにはどうすればよいのかなぁ、と現役PTA会員時代にも考えていました。

とはいえ、皆さんの議論を追いかけていて、やはり日々の生活の中で(たとえば家庭内の意思決定、たとえば職場での処遇、等々)、人権や公平性や民主的手続きといったものを意識しながら考えたり話し合ったり、そういった地道な行動を続けていくことに意味があるのかな…と、もう(残念ながら)PTAに直接関われない年代になった者としては、感じました。