お母さん、ちゃんとデザート用意してくれるからね

 保育園のお迎えの時、3歳の娘が「お家に帰ったらデザート食べようよ〜」と言った。

夕食前にデザートをねだられることが多く、保育園で頑張ったからとつい許していたのだが、今日こそ心を鬼にしようと思っていた。

「デザートは夕食の後だよ。お腹いっぱいになったらご飯食べられなくなるよ」。

すると娘が怒り「すぐデザート食べたい!ワー!」とひっくり返って泣き出した。

何を言ってもダメ、手が付けられない状況だった。

娘の大声に気づいた担任の先生が様子を見に来てくれた。

事情を話すと先生はニッコリ。

娘の前にしゃがんで笑顔で言った。「ご飯をしっかり食べたら、お母さん、ちゃあんとデザート用意してくれるからね」。

娘は素直にうなずいた。

先生の一言に救われた瞬間だった。

もちろん、その夜はご飯をしっかり食べてくれた。

 その先生には、4月に転園してきたときにも助けられていた。

登園初日の朝、私と離れるのを嫌がっていたが、先生が娘にニコニコと笑いかけ「あとで一緒にお庭で遊ぼうね。滑り台やお砂場があるよ」と言うと、不安でいっぱいだった娘の顔がパアッと明るくなった。

特別な言葉ではないけれど、魔法のように効く先生の一言が、いつまでも心に残っている。