昨年末、2世帯で同居中の義父は、在宅で終末期医療を受けていました。
毎日のように医師や看護師さんが訪問される中、子どもたちは初めて身内の「生死」に触れる数か月を過ごしていました。
病床から、2人の孫に「行ってらっしゃい」「お帰り」の手を小さく振る義父。
1歳半の息子にはまだよく分かっていないようでしたが、当時4歳半の娘にとっては、言葉にできない感情が巡っていたのだろうと思います。
そんな折、娘の担任の先生が帰り際に冒頭の言葉を言って下さいました。
父の事に気持ちが引っ張られる中、子どもへの意識が足りているだろうかという不安があった頃です。
先生の言葉に「子どもさんのことは見ていますよ、一緒にサポートしますからね」という温かなメッセージを感じました。
わが子の通う保育園には「共育て」という理念があります。
子どもを真ん中に、保育者や、親も一緒に保育園を作っていこうという願いが込められています。
家庭の状況を察した、さりげない思いやりのある言葉に、「共育て」の深みを実感しています。
父はその後、孫たちも見守る中で旅立ちました。
あれから半年。最近も、「おじいちゃんのこと時々話してくれますよ」と先生。
その後の娘の様子を気に留めて下さっているようです。