保育園の連絡帳は、親にとって子どもの園での生活を知る唯一の手がかり。一人っ子の息子(2歳)は初めての子だけあって、その内容にいつも一喜一憂していました。
イヤイヤ期まっさかりの息子が、先生の手をわずらわせる内容が書いてあると、親のしつけがなっていないように感じて、謝りまくり。その上、息子には発達に少し心配なところがあったせいか、心理的に過敏になっていたと思います。うまくいかなかった出来事が書いてあると、ひどく落ち込みました。先生たちは息子を預かることに困っているのだろう、いつしかそんな考えが頭に居座るようになりました。
そんなときに保護者会があり保育士さんが全体に向かって、冒頭の言葉を話しました。続けてこう話しました。「手がかからない子はいません。かからない子がいるとしたら、その子は深刻な問題を抱えていると思います。どうか私たちに手をかけさせてください」と。我が子でさえ、手がかかることに逃げたくなることがあるのに、大勢の子をみながらのその発言に感銘をうけました。そして、困るどころか前向きに預り、心から子どもの成長を考え行動されていることがわかり、感謝しきれない気持ちになりました。
*公益社団法人 全国私立保育園連盟「保育通信」に会員が交代で執筆した連載を再掲載しています。