娘のなみが2歳になり、ぐちゃぐちゃのお絵かきにも、それなりにきれいな色使いや形が見られるようになった頃のこと。自作をおもむろに示して、私にこう問いかけてきました。正直いって見当もつきませんでしたが、「アンパンマン?」と答えたら、娘は「せいか~い!」ととても嬉しそうでした。
私は教員をしておりますが、この「なみ先生の超難問」にはうなってしまい、翌日このことを保育園で報告すると、担任の先生たちにも大ウケでした。
でも娘にとって、実は答えは何でもよかったようです。その後も同じ「難問」を何度か出題されましたが、どんな返答にも、不満そうな表情ではなく、いつも笑顔が返ってきました。どうやら保育園でもやっていたようです。
クイズ好きの娘は、自分もクイズで大人を楽しませることができるのが嬉しかったのでしょう。私なら仕事柄、何でも正解なんてわけにいきませんが、保育園にはいつも、子どものおおらかさを受け止めてくれる温かさがあります。実際、子育てをはじめとして、唯一の正しい答えなどないほうが普通なのかもしれません。今は5歳になりましたが、そんな天真爛漫さをこれからも大切にしていきたいと心から思います。
*公益社団法人 全国私立保育園連盟「保育通信」に会員が交代で執筆した連載を再掲載しています。