【イベント報告】オンライン交流会「ロングラン会社員ママ」(2021年8月1日開催)

2021年8月1日(日)、「親の会」会員のロングラン会社員ママ(子育てをしながら長く勤めてきたベテラン会社員)3人を迎え、オンライン交流会が開催されました。当日の様子を一部レポートします。

【先輩トーク】 

冒頭に3人それぞれに、自己紹介、これまでのキャリア、仕事の転機、家庭(子ども関連)の転機についてお話しいただき、その後は参加者による質疑応答を交えながら話を進めました。

 それぞれのライフヒストリーを聞くだけでも共感したり、勉強になったり…。3人の経験は個性的で魅力的で、それぞれの物語がありました。

 均等法前世代で時短も育休もない時に出産し、幼い子を抱えて働く中で持ちかけられた課長職を断ったこと、会社の産休取得者第一号になったこと、
 出産後に、夫が育休をとったり実家から親が近隣に引越してきてくれたことで、ギブアップしないで仕事を継続できたという経験、会社で不当な扱いを受けたこと、
 上司のさりげないサポートに力をもらったり、平日昼間に在宅する母親中心主義な小学校に疑問が大きく湧き上がり問題提起したこと、
 今に続く地域での活動に結びついた経験、など短い時間ですが濃い語りがありました。

 

 時代が変わっても変わらない親子の関係の大切さを感じた点で印象深かったのは、子どもを信じてあげることの大切さ。子どもが笑顔で元気であることがすでにかけがえのないこと。それだけでもう何がなくっても大丈夫!と思えることの大切さでした。
子どもが「(親は自分を)信用してくれない」と言った時、「では絶対裏切るなよ」と言って任せる。小さな事から任せていって、それが結局親子の成長や自立にもつながるという指摘に納得しました。 

 そしてお金の話題もまた興味深かったです。なぜ働くのか?経済的に余裕がある(ダブルインカム)であるからこそ子どもが自分らしく選ぶことができる。
やりたいことをやらせてあげる。「働き続けてくれたから」と子どもに感謝される日がくる。そして、今は自分で稼いだ金で人生設計できることの大切さを感じている、との言葉は力をもらえました。学校の保護者会は平日でいけなかったが、土日の子どもの試合には必ず行った、という経験にはうなずきます。

 もうひとつ心に残ったのは、当時の「おかえりなさい神話」です。「かぎっ子」という言葉があった当時(20年くらい前)、社会からの圧力とし子どもは学校から帰ったら「お母さん」に「おかえり」と言ってほしいのだ”、”母親を家で待つのは辛い(だから母親は働くな)”という風潮があったそうです。ずいぶん経ってから、子に当時の思いを聞いてみたところ「おかえり、って言われたら引くわ」とアッサリ言われた、というエピソードは子どものたくましさにホッとしました。

 奮闘する親の後ろ姿を見て育ち、今はもう成人し父親となった子どもに「そういえば親父はこういう時いつもいなかったな」と笑って思い出されつつ、自分は子の保育園の送迎を毎日する息子の姿に頼もしさを感じるという話や、結婚式で娘から「フルタイムで働くお母さんを家で待つのを寂しいとは言えず、私は家で子どもを待ってるお母さんになるんだと言ったこともありました。今はどうしたらお母さんのような強い女性として社会で生きていけるんだろうと考えています。」と言われたエピソードは感動的でした。

 地域に根ざした保育園での人間関係が子だけでなく、親世代の人間関係もその後ずっと支えてくれる。育児から介護へと問題は変わっても地域での協力関係は変わらず生き続ける、という指摘については、育児&介護に仕事というトリプルジョブを抱えつつある親世代はハッと考えさせられました。

【Q&A】

 家事と仕事でピンチ、落ち着くのはいつのことでしょうか? という質問には、大学で家から出ていくようになった頃かな? というお答え。

 介護と育児が同時に来ちゃう。両立はどうするのか? との質問には両立は無理!とバッサリ断言。両立は無理と考えて、一時的には子どもを優先させることも。困った時はお金で解決することも大事。保育園時代の人間関係に助けられることも多かった。地域で子育てしている実感を感じたことが多かったとのお答えでした。 

 子育てしながらの管理職は可能か? 子を抱えて責任ある仕事できるのか? との質問には、当時は、チャレンジする人が少なかった。でも今は様々な法制度やサービスもある。やれと言われたならやってみる。管理職といっても実はそんなにすごい人でもないかも。大したことない人でもやってると思えるようになる。と励ましの言葉が力強かったです。キャリアはデコボコがある。仕事が大変な時、子育ての大変な時…。坂道やまわり道をしながらも長く働くことの大切さを感じます。

 子が病気のときはどうしたか? には、休むことも大事。辛い時期もある。もっと周囲にSOSを出しても良かったかも。と頑張りすぎな親に気遣いをもらいました。

 学童は毎日を過ごす決まった場所という意味では大変助かるが(父母の会やイベントなど)親の負担が大きい。民間学童が増えて選択肢も増え、環境が変わってきているという指摘がありました。 

 その他、コロナ時代のますます難しくなる子育て、保育園や学童クラブでの保護者同士の関係、などに話しが及び、まだまだ続編を期待する参加者の声もありました。


 ロングランママさんたちのあっぱれな生き方に尊敬の念しかありません!  また引き続き、ロングランママ(パパ)の経験を共有し、今小さな子と仕事と介護を頑張っている世代の明日へのヒントをもらいたいと思いました。

 保育園を考える親の会では、会員同士が悩み事などを気軽に話せて交流出来る企画を、今後も行っていきます。