幼児教育無償化に関する保護者アンケート

保育園を考える親の会は、昨年(2019年)12月に「幼児教育無償化に関する保護者アンケート」のネットアンケートを作成し、会員メーリングリストやSNSで子育て当事者に回答を呼びかけました。回答総数は115件。最終結果をご報告します。

A】幼児教育無償化について、あなたの考えが最も近いのは次のどれですか?(選択肢式・単一回答)

109件の回答がありました。「その他」の自由記述欄に書かれた意見を詳しく見ると、無償化よりも保育士の処遇改善や待機児童対策を優先すべきという意見が12件、応能負担を支持する意見が4件、幼稚園時間のみの無償化でよいとする意見が2件、その他の条件での無償化廃止を求める意見が2件あり、これらを加味すると、幼児教育無償化よりも他を優先すべき、縮小もしくは廃止すべきなど、現行の幼児教育無償化に賛成しない意見の合計は 90件(82.6%)に上りました。

(回答フォームでは「単一回答」の設問で作成されており、「その他」に記入すると前にチェックした選択肢が無効になることに気がつかなかった方も多かったのではないかと推測されます。設問で注記すべきでした。)

<「その他」に記入された自由記述>

《無償化よりも保育士の処遇改善や待機児童対策を優先すべき=12件》

◯幼児教育無償化より働く職員の給料をあげて欲しい。

◯その財源は(先生方の減税や給料アップ離職防止ほか)保育の質向上に使うべき。

◯無償化より保育士の給与向上に投資して、保育士の労働人口を増やすべき。

◯幼児教育無償化に当てられる財源を保育士の給料にあて、人手不足を解消するべき。

◯廃止して、保育士の待遇改善に利用すべきだと思います。

◯完全に廃止して保育士に必ず渡るようにすべき。

◯保育士の労働環境改善と施設増設に注力して欲しい。入り口が狭い。

◯無償化以前に保育士(特に公立と私立認可)の待遇改善と増設による定員増加が必要。

◯保護者の金銭負担削減ではなく、保育士の待遇改善や事業所補助などにより、保育供給の量と質を上げるべき。

◯保育園の拡充と品質の担保を優先すべき。

◯無償化は助かります。でも、待機児童の解消が先決であること、保育士確保のための処遇改善が必要であること、障害時の加配の補助金だって実際の人件費と見合っていないこと、などなど先に解決すべき課題がある。選挙のためのバラマキなことがそもそもの問題。

◯税金を無償化のためにつぎ込むのではなく、次問の選択肢にあることに使うべき。

《応能負担を支持する意見=4件》

◯保育園も幼稚園も所得に応じてにしてよいと思う。自治体別ではなく統一で。

◯幼保の保育料は今まで通りで何も問題なかった。高校大学を無償化、義務教育を教材含めて無償化、もしくは保育園のように所得スライド方式にするべき。

◯幼児教育無償は歓迎したが、保育は応能負担のままが良かった。

◯以前の保育料制度に戻して、軽減制度にする。

《幼稚園時間のみの無償化でよかったとしたもの=2件》

◯幼稚園は現状のまま、保育園は以前の制度に戻した上、予算分を保育士の待遇改善や希望者の全入のために利用すべき。

◯教育部分のみ(1号)を無償化し、2号は差額負担とすることで、同じタダだからという発想での過剰な保育需要を抑制するべき。

《その他=6件》

◯無償化は廃止。ただし多子減免は拡大。

◯幼児教育無償化は完全廃止すべき。認可保育園については利用料を引き上げてもよい。

◯幼稚園枠での適用は3歳になった月から、保育園枠での適用は3歳時クラスに進級した4月からということを読んだが、特にこども園では同じ施設でも適用タイミングが異なるのは公平性にかけ、この意味で適用範囲を広げるべき。また朝鮮学校を始めとした日本政府が学校法人として認めて補助しているような学校でも公平に実施すべき。

◯待機児童の解消と保育士の処遇改善を3点セットできっちりと進めるべきだと思う。

◯保育士の年収を他の業種と同じに引き上げるようにするべき。

◯効果検証、本当に必要な保育施策を研究すべき。

【B】幼児教育無償化について廃止や縮小を求める方は、その財源をどのように使ってほしいですか。(選択肢式・複数回答可)

「幼児教育無償化について廃止や縮小を求める方」に聞いた限定設問でしたが、有効回答106件の中の96件、約9割の人が幼児教育無償化の財源を保育士の処遇改善に使うように求めていることが明らかになりました。

<「その他」に記入された自由記述>

◯子どもがのびのびと体を動かして遊べる環境を確保してほしい。

◯待機児童問題で余儀なくされた園庭のない認可保育園に通う子どもたちの外遊びの充実に使ってほしい。

◯若手育成と同時に潜在保育士の復活。様々な年代や経験者が現場にいることが望ましい。そして長時間労働をなくし、休みをきちんと取れるようにするべき。

◯東京都墨田区では10月に散歩中の園児に男がハサミを振りかざす事件がありました。区役所で生活保護の申請を断られ、腹いせだったようです。無償化によって子どもに財源が遣われることで、かえって子どもに反感を持つ事態も起こっています。やはり収入に応じた保育料を支払う旧制度が全ての国民に平等な素晴らしい制度だと思います。

◯上記にお金が回せるよう、消費税法を改正するか、無償化の財源を消費税以外にするところから。

◯全世帯に公平に使っていただきたい。

◯子育て世帯を助けることに使ってほしい。ファミサポの設置や学童の拡充やオムツの無料配布や妊婦検診の負担軽減。

◯多様な働き方を認めてほしい。

◯議員同士の粗探しする前に無給で保育の現場に入って現状を知ってほしい。

【C】お子さんが利用している保育施設・幼稚園等で「幼児教育無償化」の影響と考えられる変化はありましたか?(選択肢式・複数回答可)

回答は78件にとどまりました。現場の変化が無償化の影響と言えるかどうかは短期では見きわめにくいこともあり、回答しづらい設問になりました。

*「その他」をマークした39件の回答のうち、19件が自由記述欄に「特に変化はない」「乳児クラスのため影響なし」等と記述していました。また、3件は「未入園のためわからない」等、1件は記述なしでした。それ以外の自由記述欄の記入内容は以下のとおり。

<「その他」に記入された自由記述>

◯先だって堺市が多子減免の無償化をしていたため保育料が無償化になっていたのが、無償化が始まって副食費の負担増になり年間6万円の出費になった。

◯認可保育園のきょうだい減免によるトータル保育料アップ。

◯土曜保育に別途、主食費を徴収されるようになった。

◯副食費が新たに発生し、結果的に負担が少額ですが増えました。

◯公立の認可保育園で、給食代900円(月あたり)→5500円(月あたり)と徴収額が上がった。

◯市の3歳以上児の主食費補助が削除された。公の責任の後退か。

◯延長保育のシステムが少し変わり負担が増えた。

◯無職の方の就業希望。

◯新2号に変更する家庭が増えて先生の負担が増えた。

◯タダだからと仕事が休みでも保育希望する家庭が増えた。

◯日曜保育は以前から無料だが、以前より枠が早く埋まり利用できないことが増えた。

◯高額な区外の私立幼稚園、幼児園に通おうという家庭が増えた。

◯まだ制度を利用してないが、区役所の職員が振舞わされていた。

◯反対に何も説明もなく、何も変わらないと言われ、財源が国も自治体も大きく変わるのに変化なく運営できているのが疑問。

◯給食に関しての食育が増えた。

◯廃止して、保育士の待遇改善に利用すべきだと思います。

 

【D】上記のように思った理由や出来事があれば具体的にお書きください。

43件の記入がありました。本設問については、記入の多かった分野のみ抜粋で掲載します。認可外保育施設や幼稚園の値上げの内容や額について聞いた別の設問の回答(11件の記入)と重複した回答も見られたため、両者を合体して37件に集約しました。

なお、保育の利用の増加として、新規の利用希望の増加のほかに、幼稚園での預かり保育、保育施設での延長保育の利用の増加などをまとめて示しました。また、認可保育施設で新たに保護者負担となった食材料費負担(東京都では自治体が肩代わりして地域も多かった)と、幼稚園や認可外保育施設の保育料等の値上げの制度上の違いがわかりにくく、内容がまじりあいました。

《保育の利用が増えた、延長保育・預かり保育の利用が増えた》

◯「無償であればパートでも働いて保育園へ預けたい」と保育園入所を希望してハローワークへ通い始めた3歳以降の子を持つ現在は専業主婦の友人が大多数です。

◯幼稚園に預けると言っていたママ友が知らないうちに企業主導型保育の空きを見つけて入園させ、自身も就職していた。

◯職場のパートさんが保育園の新規利用申請が通らなかった。過去にそんなことはなかった。

◯役所に行って実感しました。

◯延長保育も一部無償化の対象となったため、現在働いていない方が「働きたい」と言っていました。(幼稚園)

◯実際預かりする子どもが増えていると子どもがいっていた。(幼稚園)

◯我が家は母がフルタイムなので毎日延長。お迎えに行くといつも最後の一人で待っててくれてました。ですが最近は年末ということもあってか我が子のほかにもお迎え時に残っている子がいることが増えたと感じています。

◯子どもの割に保育士が足りない。

◯預かりの人数と先生の人数が合ってないなぁと思った。

◯元々所得の多い方が、より所得を得られるようになったと感じます

◯明らかに休みの親、産休育休で遊びまくる親がいる。保育を必要だから預けるという事を理解できていないため保育士に負担がかかる。

◯同じタダなら多く使える方がという発想。 

◯月々の支払いがなくなったためだと思われます。

《保育料等の値上げがあった》

◯企業主導型保育園ですが、消費増税を理由に10月から全クラスの月額保育料金、月額2000-3000円で各クラス値上げ

◯認可外保育施設で、保育料が58000円から68000円に。月額。

◯認可外保育園で、「教育費」月額が値上がり。

◯老舗の私立幼稚園で、32,000円の保育料を5万円にしたと聞きました。月額です。

◯幼稚園。預かり金が月額600円から1000円の値上がりになった、制服、教材費の値上げ(消費税の値上げも少し影響あり)。

◯幼稚園授業料 月額21000→24000円

◯幼稚園(働いてる親も預けられる長時間保育型)で、標準預かり時間後の、長時間保育の費用が月額1万円ぐらい上がりました。

◯認可外保育施設。ほぼ全ての項目で値上がり。消費税が上がった影響。

*値上げについての設問では認可保育施設についても記入があった。従来制度との関係で負担が増えたと訴える記述のみ抜粋すると…。

◯副食費有料化、主食費値上げ。我が家の場合次女は保育料3,000(第2子で半額)、三女は保育園無料、それぞれ主食費300円から副食4,000円主食費3,500円となり、年間14万円の負担増に。

◯自治体による第2子半額第3子以降無料の制度があったのに、今回給食が有料となり年間の負担が10万増えた。そのうち園に収める主食費は300円から3500円に10倍以上値上げされた。

◯認可保育園で、きょうだいで上の子(4歳)が無償化対象となり、きょうだい減免がなくなり、下の子の保育料が満額となり、トータル保育料が上がった。

◯区立の保育園にきょうだいを通わせており、区から手紙が来ました。出先なので内容は正確ではありませんが記憶によれば、給食の負担増分は区で負担し保育に影響のないようにする、延長保育のシステムを少し変え、延長する人の負担を相応に増やす、という内容だったかと記憶しています。我が家は以前延長保育を利用していたのですが今は利用していません。以前のままだったら負担増だけど仕方ないな、それより区がそのまま負担増を背負いこむと結局は保育の質の劣化につながるだろうと心配しています。

《食材料費徴収等の事務作業のために職員が多忙になった》

◯無償化以前、実費徴収だったのは主食費(月600円強)・写真代(400円程度が年2回)・延長保育おやつ代(月1500円)・年長組のみ絵本教材代(月500円程度)で、500~1500円の集金が月2回程度でした。無償化後、主食費+副食費で月額5110円になりました。従前の集金方法は「集金袋へ現金を入れたうえで子どもの鞄へ入れ、子どもが登園時に所定の場所へ入れる」という形でしたが、副食費が実費徴収になり高額になったため「集金日と翌日に副園長が入り口に立ち、親から集金袋を受け取る」という形に変更になりました。責任ある立場の方が月2回そのような業務に従事するのは、施設にとって負担が大きいと思います。市の子ども子育て会議に委員として参加しているため、市の担当者にも尋ねたところ、金額も大きいため負担感が大きいとの声が、初回の集金を終えた時点で現場から寄せられているとのこと。公立園は金融機関への手数料が無料になるが、私立園の場合は毎月1人あたり300円程度の手数料が掛かるため、今後も同じ形を取らざるを得ないと考えているそうです。手数料負担をしてでも施設の人的負担を軽くするのか、各施設の判断にゆだねざるを得ないと思いますが、いずれにしても施設の負担は大きいと感じます。

◯徴収のためのプリント作成はもとより、徴収袋の準備や該当の家庭とそうで無い家庭がわからないように配慮して対応してくださっているのがよくわかるため。

◯従来の保護者からの保育費口座引き落としではなく、保育園の持っている地元農協の口座への給食費+延長料振り込みになった(毎月1~5日の間に振り込まなければいけない)。しかし、その口座への振り込ができるのが平日昼間のみで、フルタイムで仕事をしている保護者は振り込みができないということがわかった(口座がメガバンクではないので、昼休みにちょっと近くのATMで、というのができない)。結局、ネット振り込みをするか、現金で支払うかを保育園側が保護者ひとりひとりに聞いて回り、保護者の希望の支払い方法にしてもらっているので、保育園側の手間が増えている。

◯事務作業に追われている様子が見えた(経理担当者が入院して保育料の引き落としが1月まで開始されないことになった)

◯今まで食材料費徴収は保育園の業務ではなかった。新たな業務が増えたので、多忙になっている。

◯給食費の請求書は1名ずつ封筒に入れて手渡ししている。計算/印刷/処理/封筒に入れる作業が増えたことは確か。

◯事務は、役所も把握しきれていないのが一番問題。

《給食の質が劣化した》

◯おかずの品数が減ったり、毎食おやつに出ていた果物が無くなり給食に果物が出る機会も少ない。(おやつは、果物以外に出ていたおにぎりなど総カロリーを増やして対応しているとのことだが、カロリーだけの問題ではないと思います)

◯昼食は1汁3菜から1汁2菜メインに。おやつからは、果物が無くなりました。そのようにするという通知が出て、実行に移されています。体操教室などの有料プログラムが夕方に開催されることから、延長保育の人数が増えました。それによって、夕方、体操教室を受ける子のために保育士が付き添うため、受けない子供たちは少ない人数の保育士が合同でみています。先生方の負担は明らかに増えていて、お散歩等減らされています。

◯お昼の給食は大きな変化は感じられないが、おやつが簡素化した

◯私立の認可保育園と比較すると、量が少なかったり、彩りが足りないような気がした。

◯掲示されているサンプルがなんだか若干寂しくなった気がする(気のせいかもしれませんが…)

【E】ここまでの設問に関連したご意見がありましたら、お書きください。(自由記述・記入37件)

◯負担できる人はちゃんと費用負担して、保育士さんや保育定員拡充にお金を使って欲しい。無料になるのはありがたいが、負担できるのに、申し訳ない。認可保育園は高所得ほど、無料化によって投入される税金が多いのはおかしい。

◯無償化実施の前から保育士の先生方がものすごく大変そうでした。その部分に手を打たずして、保育を受けたい人だけをどんどん増やしていっても、問題は解決されるどころか、拡大されるのではないでしょうか。保育の質にももっと目を向けてほしいです。余裕のない先生方に毎日怒鳴られておびえている子どもたちがいること、収拾がつかなくなるからとしーんとした中で食事を食べさせられている子どもたちがいること、散歩にもなかなか出られず子どもたちが悶々としていること、そういうことを国も理解して政策を作ってほしいと思います。どうか保育士さんたちの処遇(勤務時間、給与、配置基準)などを改善してください。それが未来の子どもたちにつながると思います。

◯保育者養成系の大学で教員をしています。「相対的貧困率」の話を授業でした際、「中央値の半分以下が貧困なら、卒業したら私たちも貧困世帯だよね・・・」と学生たちはざわざわ。次世代を担う人間を育てる、とても重要な仕事に就いている保育者の待遇がひどすぎます。保育者の待遇改善こそ喫緊の課題です。無償化に回すお金があるなら、待遇改善にどーんとつぎ込んでほしい。保育者の給料が10万円上がれば、保育をめぐる状況は劇的に変わるのではと考えています。大学で保育の質についてしっかり学んで現場に出る学生たちです。相応の賃金をもらって、質の高い保育を長く続けてほしいと強く願っています。

◯現時点で通っている保育園から変更点がある等は連絡されておらず、また実感もないです。無償化よりも、希望時に質の高い保育が必ず受けられる保障の方が、少子化や就労促進に効果的と思います。保育園に入れないと復職の目処が立たず、予定も立てられなかった産後直後のストレスは、想像以上でした。

◯・区がことごとく公立園を民営化しており、一段落したと思ったら児童館付属の学童をことごとく民営化している所だと知り、困惑しています。・友人がDV被害により子連れで家を飛び出し、もうすぐ無償化するの助かると言っていてその切実さをよく理解しているのですが、それでもなお、他のシステムでの支援が適用されるべきだったと思ってしまいます。・上の子が無償化の対象になりましたが、むしろ払うから保育の数と質をしっかりやってくれと思います。どちらかというと受けるのは恩恵でなく被害になる可能性が高い…。

◯3歳児以上の選択肢が広がり、高額な教育や保育を支援しているようで、どこにも行き場がない乳児の支援が枯渇している。一時預かりや病児など、本当に困っている家庭支援に切り替えてほしい。

◯0歳から2歳の働いていないお母さんが、育児に疲れたときや体調がわるいときに一時保育を使うことも、上限を定めて無償にしてほしい。虐待を防ぐためにも有用に見える。保育園に入れた人と入れなかった人との差がどんどん開いていっているように感じる。

◯無償化に伴い、3歳からの入園が厳しくなっていると聞きました。来年3歳になる娘(現在は企業主導型保育園に在籍中)がいるので、今から心配です。

◯自営業のため保育園を利用できず幼稚園の延長保育を利用しているママ友(シングルマザー)が、自営であるため必要条件を満たせなかったとされ、延長保育分の上限つき無償化が適用されなかったときいた。保育園に入れず時間数の少ない幼稚園の延長保育を利用してどうにか首をつないでいるママ友は、勤務時間数が少ないとのことで、やはり延長保育料の無償化の対象から外された。保育園を利用する有職保護者がますます優遇されていると感じ、とても不満がある。

◯息子(3歳)、娘(1歳)がいます。長男は1歳に認可保育園の希望を出しましたが入れず、2年間認可外保育園に通いながら待機していました。今年4月の一斉入園で、兄妹同時に希望を出しましたが、息子だけが待機になったため、急きょ、幼稚園へ入園しました。現在は娘は自宅最寄りの保育園へ、息子は幼稚園へ通っています。預かり保育も利用していますが、時間に制約があり、また夫も出張が多い仕事のため、私は仕事を減らすしかありませんでした。2カ所の送迎は大変ですし、個人事業主のため、労働時間が収入にも直結してしまい、正直、厳しい状況です。また、約2年間の待機中に味わった、「仕事復帰できない焦りと不安」「毎月の選考時期になると不安になり、通知が来なかったとき(選考に漏れた時)の喪失感」は辛かったです。こんな想いをするお母さんが一人でも減るように、無償化よりも、保育施設の拡充と、質も充実につなげるべきだと強く感じます。質を充実することで選択肢も増やし、より多くのこどもが希望する保育施設へ、希望通り入園できるような環境になることを望んでいます。

◯無償化でうちは特に問題もなく助かっていますが、そうでない人がいるのであれば問題が解決できるように策を考えてほしいと思います。特に子どもたちがかわいそうな思いをする事は改善してあげてほしいと思います。

◯現状、子どもの施設を見ていて質的な変化はありません。ただ、保育料収入を自治体が得られなくなるのですから、自治体全体の予算の中で、幼児教育・保育のために従来充当されていた部分が、今後削られていく可能性があるのではないか、と不安を感じています。また、高所得者ほど恩恵が大きく、保育料を支出しなくて良くなった分を習い事に充当するなど、子どもの教育格差に繋がる制度と感じています。

◯幼児教育無償化は3歳未満児にも順次拡大すべき(順次軽減があってもよい)。他方、それにより公立保育所の民営化が行われたり、保育士の処遇改善、最低基準の改善が進まなかったりすることはあってはならない。それぞれ別々のこととして政策が展開されるべきです。

◯幼保無償化の範囲はもっと広げるべき(対象外になっている各種施設、1-2歳)、さらに保育の質向上のため配置基準の引き上げと処遇改善を望みます。

◯幼保無料化により、3歳からの義務教育を進め(保育園でも保育園に適した遊びを中心とした教育をする)、日本の将来を担う世代をしっかり育成してほしい。

◯幼児教育はとても大切だが、今の制度の無償化は収入の多い世帯ほど得をし、待機児童を増やす。消費税増税しておいて、貧困家庭の子どもの救済、潜在的待機児童の解消、保育士の待遇改善などを優先しない政治に不信感しかない。早く制度の見直し、改善をしてほしい。

◯幼児教育無償化の影響として、入園希望者の増大による保育の質の劣化の話は、既に導入されている国での前例があるにも関わらず、強行されたので、予想された通りの問題が次々に出ていることが残念です。待機児童も未だ解決されていないので、無償化されても、利用できる施設がなければ意味がないし、保育士不足で開園できなかったり、閉園に追い込まれる施設もあると聞きます。保育士の処遇の改善や働く場の環境改善などに財源を使えばよいのに、と思います。また、幼稚園と認可保育所の毎月の利用料は所得に応じた負担に設定されていることや、きょうだい場合や、低所得世帯への支援もさらに実施されていることより、一律での無償化は、高所得の人ほど恩恵を受けることになるので、やはり幼児教育無償化より、待機児童問題の解決、保育士の処遇改善、環境改善を優先して欲しいです。

◯自民党、内閣府、文科厚労の考え方として、保育料負担がきついから子どもが産めないというアンケート結果を基に、「保育料負担軽減=少子化対策」とした。消費税法は、少子化対策に結び付けられない事業に拠出することを禁止しているため、保育士には回せないし、アンケートが全国なら、待機児童対策も少数派になる。その財源を他に使えというのは、今のままでは難しいのを把握しての活動にしないと、すべてが空回りする。

◯政策を作るときには副作用をちゃんと考えないとダメです。そういう意味で、幼児教育無償化は思慮に欠ける政策ですね。

◯幼児を無償化にすることで子どもに何の得があるのか

◯3歳以上児全世帯の「全世帯」と言う表現は不適切。従来の就園奨励費補助金に比べて補助金額が減額、幼稚園類似施設は補助なし、またそれに対する国、自治体の動きが遅い

◯無償という言葉だけが一人歩きしている不安があります。タダほど怖いものはない…。

◯給食費の負担が自治体によって違うのは、不公平に感じる保護者がいると思う。無償にするか、保護者が負担するか一律にしたほうがよい。

◯無償化と聞いてまったく支払わなくていいかと思ったら給食費や延長保育料などは支払わなければいけないと聞いて、中途半端だなあと思った。しかも、給食費は来年度から値上げするかもしれない。確かに月々の負担は軽くなったけれど、お得感を感じない。それよりも保育園全入化させてもらったほうが、キャリア断絶&妻側(または夫側)の無収入化を防げるので安心感がある。また、就労の理由でなくても気軽に預けられるようにしてほしい。今のように実質上就労していないと預けられないという状態だと、仕事してからお迎えに直行しなければいけないルールがはびこってしまって、母親が疲弊する。働く母親もそうでない母親も、子どもを預けてちょっとカフェに寄ってひといきつくくらいのゆとりがほしい。

◯市に何度も問い合わせたり意見して、副食費は免除、保育園は我が家だけ主食持参しています。高所得の世帯には相当な恩恵があるであろうこの制度ですが、何かメリットがあるのでしょうか。

◯以前は保育料に副食費が含まれていたので主食費のみ別で園に支払っていたが保育料無償化になり副食費も園に支払うことになり、金額が上がった。

◯保育料は二人目半額だったが、今は二人分の園費を払うことになり、全く無償化の恩恵を受けている気がしない。

◯掛川市は県内でも待機児童が多い市ですが、幼稚園の預かり保育が待機児童の受け皿となっており、預かりの無償化上限額からはみ出した分を市が補助してくれることになりました。(静岡県内の多くの市町で実施のようですが。)保育士不足はこちらでも深刻なので、それよりも保育士の処遇改善にお金を使えたらいいのにと思います。保育園に入れない人がいる限り無償化にメリットを感じないです。

◯練馬区としてアレルギー食対応が変わったが、無償化に関連するものかは不明

◯ちなみに中野区は給食費も区の補助が継続し、給食費徴収作業は発生していません。

◯川口市の幼稚園に見学にいっところ(川口しらぎく)、無償化に合わせて保護者の負担がないように、値下げして実質0にしているところがありました。市の財源にもよるのでしょうか。現在小規模園に通っていますが、連携園ができなかったため、幼稚園見学もしています。ただ近所には無いため、その場合、二重保育になりそうです。ただそれもできるのか2月の結果がでてからなので、未知です。場所が遠ければ保育園作れるのであれば、駅にバスまでの一次預かりがあればいいのになぁなんて思います。

◯保育料が無料になったとしても、もう1人産もうとはとても思えません。

◯少子化改善のための育児費への助成を考えてくださるなら、中高大学生の学費の方をなんとかして欲しいです。

◯市区町村単位で認可保育園を管理するのをやめ、国単位、又はせめて都道府県単位で管理すべき。居住地が区の境であったりする場合に入園できる認可保育園の選択肢が大幅に減少するため。区ごとに認可保育園の選考基準が異なる点も改善すべき。また、認可に入りたくても入れない人のために、高額な保育料や寄付を行えば入園できる枠を作るといった制度を導入してほしい。現在の制度では、質が良く保育料の安い認可に低所得世帯が入園し、質にばらつきがあり高額な認可外に高所得世帯が入園することになる。通える範囲に質の良い認可外があるとも限らず、認可外でも質のいいところはどんどん認可に移る傾向にある。高所得世帯にも質の良い保育を受ける機会を与えるべき。

◯企業主導型の保育園もそれぞれ特色があって、いいと思います。市場原理が働けば、質の悪い保育園は淘汰されるはずですが、現状では、定員が一杯で、保育園を選べる状況にないことです。また、建設事業と違い、瑕疵を見つけにくいし、管理も難しいと思います。民間を活用するなら、質の担保をどうするのかも、しっかり検討して頂きたいです。保育園は人格形成の大事な時期だと思いますし、保護者との接点もできます。行政として、虐待防止、発達支援、人材教育の一つとしてもっと、できることはあると思います。また、自己肯定感があるとヤケになったり、人を傷つけたりしたいとは思わないと聞きます。将来の犯罪者を1人減らすのも、財政効果があると思います。今の足元だけを見て、政治をするのは止めて頂きたいです。

◯保育士の意識改革を養成機関や学校などで教えてほしい:労働者の権利、パワハラやセクハラ被害の対応に関して/保育士の社会的地位の向上の必要など。保育士がストライキをするのが一番社会へのインパクトとダメージがあると思う。税金を出すことも必要だが、親が働けるから雇用主、企業や組織は労働力を確保できる。その恩恵を受けるためには雇用が生じる全ての企業や組織から「保育税」を徴収するべきでは。待機児童と保育士の冷遇は社会そして経済の問題であり、保育士が幸せでなければ子どもも幸せではない、そして将来の社会不安を解消することができないという長い目と広い視野で捉えられるべき。

◯無償化だけでなく、保育士への優遇や、高度な幼児教育を行うための、保育士のレベル上げを国家レベルで行うことで、今後の学力にも関わると思われる。そのため、幼児教育に関わる研究など、範囲を広げて行った方が良い。また、中学からなど、もっと早い段階で、家族を持つことや、子どもを育てることについて学ぶべき。核家族化しており、子育てを教える人が周りにいない状態で、また、子育て方法がどんどん新しくなり、男性である夫も子育てを母親と同じようにすることが迫られており、生物学的には外れた社会を形成しているのであるから、社会人になっても、何一つ知らずに子どもを産んで育てよう、ということ自体、もはや無理が来ている。それが少子化の一因ではと考える。行政の利用方法などもふくめ、知識を早くから身につけることで、少子化への歯止めや、子どもの育て方がわかることでの安心感、貧富の差による学力への影響をなるべく少なくする方法など、社会で育てるという教育が必要。

*ほか、設問【C】に関して「該当しない」などの選択肢が必要だった等アンケートそのものに関するご意見を2件いただきました。

【F】あなたのお子さんが利用する施設は?

末子が就学前である現役の保育利用者(幼稚園等も含む)は108件(93.9%)でした。

 

【G】お住いの市町村は?

*都道府県別で集約しました(全回答者115)

 
ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました!