第15回子ども・子育て分科会提出意見

2026年8月19日開催のこども家庭庁「第15回子ども・子育て支援分科会(第15回 子ども・子育て支援等分科会)」において、代表・渡邊が意見を述べました。

【意見書】

2026 年 8 月 19 日開催の「第 15 回子ども・子育て支援等分科会」における配布資料に関し、当会より以下のとおり意見を提出いたします。
当会は結成以来、一貫して以下の 2 点を最重視して活動を継続してまいりました。本意見書につきましても、この理念に基づき述べさせていただきます。

1. 「だれでも、いつでも入れて、安心して通える保育園」の実現
2. 「大人の都合よりも、子どもたちの育ちが大切にされる社会」の構築

1. 参考資料 5「今後の保育政策を考える会について」(P.4)について

 【項目】計画的な提供体制整備について

• 意見・懸念点
子どもの数が減少し、保育の維持が課題となっている地域がある一方で、都市部では希望する時期に入園できない状況はまだまだ残っています。年度前半に0歳児クラスに空きがあることは非効率とされますが、年度後半には待機児童があふれている状況もあります。

• 要望事項
必要な時にいつでも入園できる提供体制をできる限り整えてほしいと思います。年度前半に空きがあっても保育士の雇用を守り、その期間に保育士の研修などを充実させたり、こども誰でも通園制度の定員をふやしたりなど、提供体制の工夫をしていただきたいと思います。

【項目】インクルージョンの推進について

• 意見・懸念点
現場の医療従事者等からは、「障害児や医療的ケア児を持つ保護者が介護休暇・休業を取得しようとしても、職場の理解が得られず退職を検討せざるを得ない」「急性期を乗り切れば病気と付き合いつつ就労継続が可能なのにもかかわらず、制度が利用できない」といった悲痛な声が寄せられています。
高齢者介護に対する制度理解や社会的な支援は広がりを見せている一方、「子どもの介護・ケア」に関する休暇・休業制度については、公務員や一部の大企業以外の事業者において未だ理解が不十分な状況にあります。

• 要望事項
こども家庭庁におかれましては、関係省庁とも緊密に連携を図り、保育受入体制の整備とあわせ、労働基準・雇用側面における「子どもの看護・介護休暇・休業制度」に対する理解促進および環境整備を強く推進していただくようお願いいたします。

2. 参考資料 7「保活情報連携基盤及び保育業務施設管理プラットフォームについて」について

(1)P.2 P.3 「保活情報基盤」について

• 意見・懸念点
さまざまな手続きがスマホで簡単にできる時代になりましたが、間違いやトラブルが起こった際のリカバリの方法がわからなかったり、ツールを使いこなせない人がいたり、対面であれば簡単に解決できることがなかなか解決できないといったことが起こりがちです。子育て家庭は時間がないからこそ、ときに生身のサポートを必要としていることを前提にしていただきたいと思います。

• 要望事項
1 「スマホで簡単に保活ができる」等の PR は保護者をミスリードするおそれがあります。自治体の利用調整等のしくみは複雑で、引越しや転職、きょうだい入園その他、本人が知らない細かい条件に引っかかって不承諾になったという相談も受けます。当会では、自治体の利用案内を読みこなし、わからないことは混み合わない時期に自治体窓口を訪ね、対面で相談することを勧めています。

2 自治体窓口の対面での相談等も閉ざさないでいただきたいと思います。システムのインターフェースを細かくしても、すべての申請者の状況をカバーすることは不可能であり、申請者も自分がどのケースに当たるのかがわからない場合もあります。このシステムがあるからといって自治体が窓口対応を削ってしまわないようにお願いします。

3 園見学をスマホで予約できるようになっても、保護者と園の接触やコミュニケーションを断たないでいただきたいと思います。園見学だけでは確信をもてなかった保護者が、個別に園に連絡して相談したり確認したりできることは、園と信頼関係をつくる第一歩としても重要です。事業者の方々にも周知していただきたいと思います。
(参考)保育園を考える親の会のイベントでの保護者の発言
「電子申請は、提出書類が一覧にはなっているが、自分がそれを提出すべきなのかどうか(何のための書類なのか、自分が該当するのかどうか)がわかりにくくて困った。申請した後も、不備がなかったのかどうかが、ずっと不安だった。」
「申請書の内容をダウンロードできるのに、し忘れていて後で困った。提出すべき証明が提出できていなかったが、電子申請ではその点を聞かれる場面はなく、すらすら済んでしまった。発表1週間ほど前に役所から電話で確認され、ひやっとした。」

(2)P.7「保育業務施設管理プラットフォーム」の主な機能 2監査書類のやりとりのオンライン化

• 意見・要望事項
指導監査については、都道府県等の実施率のバラツキが課題と考えます。また、真に問題がある場合には書類検査だけでの見極めは難しいという実情があると思います。

• 要望事項
1 このプラットフォームで自治体・施設の負担が軽減され、すべての自治体で指導監査が 100%実施されることを願います。

2 書類検査が効率化される分、実地検査をしっかり確実に実施していただきたいと思います。 

4. 参考資料 10「令和 8 年度放課後児童クラブの実施状況(速報値)」および参考資料 11「令和 7 年教育・保育施設等における事故報告集計の公表について」に関連して

【項目】放課後児童健全育成事業・放課後子供教室における安全基準の法制化と防災体制の徹底

放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)および放課後子供教室(いわゆる全児童対策事業)の実施場所について、こどもたちの命と安全を担保するための基準策定と体制見直しを強く求めます。

1  過密環境と避難経路(2 方向避難)の法的基準整備

• 現状と課題

利用現場では狭隘なスペースに多数のこどもが過密状態で過ごしている例が見られます。また、「児童福祉法等に直接の規定がない」ことを理由に、災害時の迅速な避難に必要な「2 方向避難経路」が確保されていない施設が存在します。近年の学校火災の報道等を鑑みても、災害発生時の大惨事につながる強い懸念があります。

• 要望事項

行政が実効性をもって改善・指導を行えるよう、放課後児童クラブ等の設備・環境に関する 2 方向避難経路の確保など、法的根拠となる基準や法令の制定・明確化を行ってください。

2  発達段階に応じた避難設備・訓練基準の見直し

• 現状と課題

2 方向避難経路が確保されていない現状を踏まえ、過去に保護者からの強い要望で設置された垂直式救助袋を用いた避難訓練において、体格の小さい低学年児では仕様上想定された抵抗(制動)がかからず、減速されないまま着地して腰を強打・負傷する事案が発生いたしました。こどもの発達段階や体格に合わない避難器具の運用は、訓練自体が事故につながるリスクを抱えています。

• 要望事項

低学年児童をはじめとする利用者の身体的特徴に対応した適切な安全設備基準の策定と、安全に配慮された避難訓練ガイドラインの徹底を求めます。

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第15回こども家庭審議会 子ども・子育て支援等分科会(第 15 回)についての資料はこちら