お母さんじゃなきゃ

我が家の保育園の送迎は、送りは夫、迎えは私が担当している。2年前のある日のこと。仕事の都合で私が朝の送り当番になり、久しぶりに担任の先生と会うことができた。私が普段お迎えにいくのは担任の先生が既に帰られている時間だからだ。すると、先生から朝の送迎もお母さんができないか、と打診があった。「やっぱりお母さんじゃなきゃ」と。いわく、幼い子どもにとって母親は特別、夫よりも私と保育についての会話をする方がいいということだった。

私はモヤモヤしてしまった。子どもにとって母親と同等に父親も特別なはずだし、保育についての会話は父親でも十分できる、と。また「育児に関しては、母親が時間の都合をつけるべき」と言われているように感じてしまった。

先生に悪気はなく、私とのコミュニケーションの機会を増やそうと提案してくれたことなのだろう。でも、今の時代において旧来のステレオタイプな役割分担はどこの家庭にでも当てはまるわけではないことは、理解しておいてほしかった。もちろん、保育現場と親のコミュニケーション不足は解決すべき課題だと切に思う。誰かの犠牲の上ではなく、双方の工夫や新しい仕組みづくりでよりよい形を見つけていけたらいいなと思う。