*写真はアレルギー対応食ではありません。
(2018年1月「つうしん」に掲載)
特定の食べ物にアレルギーを持つ子どもと家族にとって、給食のアレルギー対応は、保育園選びの重要なポイントです。最近は、卵と乳製品を使用しない「なかよし給食」という取り組みも広がっているそうです。会員メーリングリストの長い情報交換の一部を割愛して紹介します。
卵・牛乳を入れない給食、どう思いますか?
みなさま、T@K市です。
家から徒歩8分ぐらいの場所に認可保育園が新設される予定です。アレルギー検査の結果、子どもが卵アレルギーと判明したため、その保育園にアレルギー対応について問い合わせたところ0~2歳児の給食に卵・牛乳はそもそも入れないそうです。今まで3園の保育園を運営しているそうなのですが、3~5歳児を預かる保育園を運営するのはこの園が初めてらしく、3~5歳児の給食メニューについては現在検討中とのことでした。
アレルギーについては、個別に対応してくださるそうです。個人的には給食に卵が入らないなら混入の心配がないから安心だし、牛乳は家で飲ませたらいいから問題ないかなと思いました。ただ、卵アレルギーや牛乳アレルギーのない子どもは、卵・牛乳を飲む機会が奪われてしまうわけで、保育園の方針としてはどうなのだろうかと思いました。
今まで見学した園で特定の食材を給食に入れないという園は初めてだったのでびっくりしたのですが、みなさんはどう思われますか?
新設園に通わせていますが、給食にも満足です
給食についてですが、現在息子(1歳児クラス)が通っている園も、今年開園した認可園で、これまでに小規模園を2園開園しており、3~5歳児クラスの開設は初めてとのことでした。申し込み時は場所も工事中で見学できませんでしたが、経営者の方とお話して、とてもいい方だったので第一希望で申し込みました。
園の給食は、栄養士さんがたんぱく質、脂質、カロリー、カルシウムなどいろいろ計算されており、毎日の献立に含まれるそれぞれの摂取量が献立表に載っています。牛乳はほぼ毎日2回出ています。卵もよく出ています。乳幼児は成長期で必要なたんぱく質やカルシウムが多いからなのかな?と思います。
実は、息子は0歳児クラスのときはほかの小規模認証園に預けており、遊びやイベントも工夫して下さって保育の内容には満足していたのですが、栄養士さんがおらず、保育士さんが市の栄養士に相談しながら献立を決めて、保育士さんが保育の合間に給食を作るといったスタイルでした。そのため、作りやすいどんぶりものが多く、おやつは市販のものでした。そこが少し不満だったので、1歳クラスから転園しました。
代表の方の方針にもよるかと思いますが、息子が通っている園は新園のため、保護者の意見を積極的にいろいろと取り入れて下さり、おもちゃ作りなど製作の機会も多く、食育や体操教室などもやってくださるので、むしろ新園で良かったなと思います。
「なかよし給食」を取り入れているのでは?
T@K市さま、TMです。
おそらく「なかよし給食」を取り入れている園なのではないかと思います。
「食物アレルギーでもみんな一緒の給食を」2013年4月3日
『おおわだ保育園 卵・乳製品除去の「なかよし給食』(監修/友愛福祉会、おおわだ保育園)・千歳市は、市を上げて取り入れています。
市内全ての認定こども園、保育所、小規模保育所、事業所内保育所(地域枠)の計21施設が、「なかよし給食」を導入。
https://admcom.co.jp/wanpaku/gov/koji444.html
他の食品で栄養素を摂取できていれば、良心的かも
子どものころ、自分が卵アレルギーでした@Bです。で、私のアレルギーの原因はですね、親が安易に卵ばっかり食べさせたからです。幼稚園のころまではインフルエンザの予防接種もできなかったらしいです(本人記憶なし)。
0~2歳のころの主なアレルゲンになる食品は卵・乳・小麦なので、消化機能や腸内細菌の整わない時期にあまり必要以上に摂取させるのは、よくないとも言われていますよね。卵と牛乳でなければ摂取できない特別な栄養素はないわけですから、他できちんとたんぱく質やカルシウムを摂取できていれば、食べなくても問題はないともいえると思います。
ただ牛乳とかって栄養管理上は便利なんですよね。よく学校給食で米飯の時でも牛乳かよって問題になりますが、調理の手間なしで数値上の栄養素がとれるから便利って側面が強いのだと思います。ですから卵、牛乳を省いてきちんと必要なたんぱく質やカルシウムを他の食品で摂取させていると仮定すれば、むしろ良心的な園といえるのではないかな? というのが個人的感想です。
アレルギー対応「常識」の変化について
先ほどのIです。「なかよし給食」という考え方があるのですね。知りませんでした。アレルギーの子もそうでない子も、同じ給食を食べられるのは子どももうれしく、先生方も個別対応することなく、いいかもしれないですね。
以下、アレルギーについて余談ですが。アレルギーに関しては小児科専門医に見識を仰ぎたいですが、昔と変わって、除去よりも摂取可能な量を食べながら治療するのが良いようですね。
・アレルギーの新常識
すくすく子育て[放送日]2017年8月12日
また、皮膚とアレルギーの関係ですが、息子が乳児湿疹になったとき、しっかり治療するとアレルギーを防げるとかかりつけの小児科に言われて、お薬を塗って治した記憶があります。
アレルギーと離乳食について、とある幼児教室に見学に行ったときに、「見学者のみなさまにこれだけは知ってほしい、離乳食は1歳からでよい、遅らせたほうがアレルギーにかかりにくい」という資料を手渡され、半信半疑でそれを小児科に持っていくと、「それは古い考え方で、今は皮膚からアレルゲンを吸収するより早く口から摂取したほうがいい」と言われて、5ヶ月から開始しました。ちなみに息子(2歳)は今のところアレルギーなし、皮膚もきれいです。
深刻な混入事故を防ぐことが大事
こんにちは。F市に住むKと言います。F市の公立保育園も、卵を給食に使わないそうです。昨年、成育医療センターの研究で少しずつ卵を食べたほうがアトピーになりにくいことが認められています。以下リリースです。
https://www.ncchd.go.jp/press/2016/egg.html
卵を使わない給食と聞いて、アレルギー予防に不利かな、という気もしましたが食べられる子は家庭で食べればいい話と思い直しました。重要なのは、
深刻な混入事故>長い目で見たアレルギー防止
だと思います。
食べながらより、一定期間除去が効果的?
みなさま、K市のTです。卵と牛乳をメニューに含めないのは「なかよし給食」という新しい取り組みだったのですね。今日初めて知りました。
卵と牛乳を使わなくても必要な栄養を満たせるし、かつ誤食を防げるという考え方に納得です。その保育園は食事には力を入れているようなので(生協が運営主体だけあって食材は生協のものしか使わないそうです)そういう取り組みをしていても不思議ではないと皆さんの返信を読みながら思いました。
Iさん、Kさんの教えて下さったアレルギーの新常識についてですが、食物アレルギー検査結果を聞いたときかかりつけの小児科医からそのことについて話を聞きました。
近所に住むかかりつけの小児科医は運よく小児アレルギー専門医なのですが、この新常識はまだ現実的ではないとのことでした。
この論文の実験では、卵は家庭で準備するのは現実的でないほどごく少量(約0.2g)、使用した卵も実験用の、卵とは似て非なるもので、しかも、卵アレルギーのある子どもはアレルギー専門医が治療しながら実験をしたとのことです。アレルギーを予防するためにアレルギーの治療で薬漬けにするぐらいなら一定期間アレルギー物質を除去して、アレルギーがなくなるのを待ったほうがよいというのが、かかりつけ医の見解でした。
重度アレルギー児の体験から
こんにちは。(東京都区部→)神戸市のYと申します。
Tさんのあげられた園について、卵や牛乳は値段的にも調理方法的にも給食に取り入れやすそうな食材なのに、避ける手間をかけられるなんて、どちらかというと素敵な園という印象を受けました。
姪っ子が卵と牛乳の重度のアレルギーでした。アレルギーっ子の給食は代替メニューで対応して下さる園に通っていました。小児科の先生指導の下、少しずつ(つまようじの先程の微量から3年ほどかけて少しずつ増やし現在も継続中)食べて治すという取組みを経て、6歳の現在は大分食べられるようになってはいますが、3~4歳ごろまでは本当にひどくて。
園の給食のごく微量のコンタミで症状が出たこともありましたし、お友達の食べこぼしが原因で症状が出たこともありました。手が腫れ上がったとお迎え要請があり、病院に寄ってなぜ手にアレルギー反応が? と帰宅した後、当日持たされた工作をよくよく見たらヨーグルト容器で工作してた! ということも。
お友達が親切でオヤツやおかずをわけてくれようとするのを、自分で断る悲しさ。(命に関わるので妹は1歳代から本人にキツく言い聞かせていました)オヤツまで手が回らなかったため、自分だけアレルギー対応のオヤツということで、せんべいと芋けんぴが交互という悲しさ。お友達によくわからないまま「アレルギー!」「アトピー!」とはやしたてられる悲しさを当時3歳の姪っ子本人から聞いたときはせつなかったものです。先生も全員が理解がある訳ではなく、「好き嫌い扱い」する先生もいらっしゃいましたし。
重度の場合は命にも関わりますし、どれだけ気をつけていてもヒューマンエラーは起こるかもしれません。本人も、対応されるスタッフの方々も大変です。アレルギーや宗教など様々な理由で全員が同じものを食べられるわけではない、ということを学んでいくという教育もあるとは思いますが、せっかく給食を導入しているのだから、一緒に同じものを食べて楽しく過ごせるということは、とっても素敵なことだと思います。
卵アレルギーの娘の離乳食
こんにちは、Aです。卵アレルギーの娘持ち&私も重度の食物アレルギーでエピペン持ちです。
うちの娘の通う園は、アレルギー児がものすごく少なく、100名強の保育園ですが、今年から3名で、今までは2名でしたので、人数が少ないので、テーブルを分けて除去食対応です。一人ぽつんと別のテーブルの別の場所で食べている娘はちょっとかわいそうだとは思いますが、安全のため仕方がないなと思っています。
私も(なかよし給食を導入している)この園は非常にいい園だと思いました。アレルギーも度合が実にさまざまで、完全除去しないといけない場合もあれば、少量だったら食べられるという子どももいて、万が一のことを考えれば、アレルギー対策しなくてはいけない子どもがいるならば卵と牛乳の完全除去は、非常にいいと思います。
都内では、4人に1人がなんらかのアレルギーを持っているという数字も出ているので、人数が増えれば、子どものアレルギーレベルもまちまちで食べられる子、食べられない子が出てしまうので、子どもの安全性と職員への負担を考えれば、中途半端になるくらいならば、このやり方も非常にいいと思いました。卵・牛乳がなくても、タンパク質を補う方法はいくらでもあります。
他の方の投稿を見ていて気になったのは、確かに今の乳幼児の食物アレルギー治療は食べさせながらの治療が主流となりつつありますが、初期から食べさせていたとしても、食物アレルギーがゼロになるわけではありません。引用されている成育の先生の論文でも、アレルギーは出ています。
https://www.ncchd.go.jp/press/2016/egg.html
そして、アレルギーがあるものを食べさせながら、アレルギーの対策を取るとなると、非常に労力がかかります。うちは、私が重度の食物アレルギーのため、担当医からのすすめもあって、娘は生後6カ月からアレルギー専門医の元、今のところもっともアレルギーの出にくい離乳食をやりました。が、卵にはアレルギーが出ています。
卵の離乳食の進め方がどのくらい大変かという事例が下記です。
20分の固ゆで卵のまず黄身を数ミリグラムからスタートし、状態を見ながら、量を増やしていく。(しかも病院があいている平日日中帯で、運動による誘発を防ぐためにお昼寝前の午前11時ごろという時間指定あり)
その後、黄身が全部できたら、白身へ移行。同じく、数ミリグラムからスタートです。 そして、20分の固ゆでを、15分、12分…と徐々に半熟にしていくというプロセスを経ますので、全卵できるようになるには、かなりの時間と労力がかかります。
うちは、黄身はできたものの、最初は白身が100%ダメ、2年たった今は、白身が70%ダメなところまで前進しています。出ると、その前のレベルまで戻して、スタートになります。
ちなみに、卵は、調理後1時間以上すると、タンパク質の変異が起きてきて、アレルギーが出やすくなるので、調理直後に食べさせなくてはいけません。作り置き不可です。ものすごい手間です。血液検査で陽性でも、食物負荷試験をやれば、アレルギーが出ない場合もありますし、逆に陰性でも食物負荷試験で出る場合もありますので、血液検査が万能なわけではありません。なので、最終的には、食物負荷試験で、どこまで食べられるのかを見つけ出さなければなりません。
私は、これを保育園にやってくれとは言えません。そうでなくとも、人員配置はギリギリの中、他に対応すべきことはたくさんある、と思って、今の保育園のやり方でいいと思っていますが、同じ給食が安全に食べられるのであれば、本当に素敵だわ~~と、あげられた園について思いました。長文ですみません……。いい保育園に出会えますように、お祈りしております。
卵不使用の園に転園を希望しています
F市のKです。Yさんの姪御さんが受けた悲しさ、想像するだけでつらいですね……。
うちの娘にも卵アレルギーがあり、目下、Aさんのおっしゃるような経口摂取を続けております。卵白は爪楊枝の先くらいから始め、ようやく1.2gまで来ました。風邪を引くとしばらく中断でなかなか進まず、先は長いです。今通っている園は除去食にしてくれていますが、混入の可能性をゼロにはできないはずです。来年度から、卵不使用の公立認可園に行けるといいのですが、ここに保活の壁があり、です……。
「なかよし給食」と保育園の希望順位
Yさん、Aさん、Kさん、T@K市です。アレルギー体験談ありがとうございます。アレルギー解除への道のりが思っていた以上に大変と知って本当に驚きました。私の子どもは卵アレルギーとはいえ、アレルゲンは卵白のみで症状は軽度なので、皆さんほど大変ではないかもしれません。ただ、お話を聞くうちに保育園の希望順位をどうすべきか悩み始めました。
第1希望の保育園は家のすぐそばにあり、広い園庭があり保育園の方針にも共感できる。保育士さんもしっかりしているし病後児保育もあると、「なかよし給食」をしていないことを除けばまったく文句のない保育園です。
第2希望の保育園は家のすぐそばにあり、保育園の方針にも共感できるし、保育士さんも子どもと保護者に寄り添ってくださり、「なかよし給食」をしていないものの第2希望にするにはもったいないぐらいの保育園です。
「なかよし給食」を実施しているからという理由で、これらの保育園を差し置いて新設保育園を第1希望にすべきなのか、それとも新設保育園は第3希望にすべきか実に贅沢な悩みですね……(どの園を第1希望とするにせよ、第1希望の保育園に入れる保証はないのですが)。
東京都の食物アレルギー対応
Tさん、Aです。東京都は、食物アレルギーに対して、下記対応が決まっておりまして、園が対応しているかどうかで私は選びました。「なかよし給食」をしていなくても、これに準拠していれば、だいたい大丈夫ではないかと思っています。
私が見て回った近隣5区の認可園はほぼ準拠していましたが、自治体によっても異なると思いますので、ご参考まで。
保育園・幼稚園・学校における食物アレルギー対応ガイドブック(日常生活・緊急時)
東京都福祉保健局
家族とも相談して検討します
Aさん、T@K市です。ご回答ありがとうございます。都のマニュアルについては以前教えていただき、見学のときマニュアルに準拠しているか確認しました。見学した園はすべて都のマニュアルに準拠しているとのことでした。誤食の可能性と総合的な評価、どちらを優先するか主人に相談してみようと思います。
調理の先生とも相談されては
Tさん、Aです。娘が今通っている園では、毎年2~3回調理の先生と面談があるのですが、その時に、アレルギーのある食材がどのくらい食べられるようになっているのか、医師の指導はどうなっているのかなど聞かれます。その時に、園全体で使っているアレルギー物質(うちの場合は卵)の総量を教えてくれます。
万が一誤食があっても、アレルギーでない範囲に収まるので、誤食しないように対策は取っているけれども、メニューも考えていますよと言われているので、園側でも協力をしてくださっているような印象を持ちました。これは、マニュアルの対応には書かれていないもので、入園前にはわからなかったことですが、入園後、知りました。調理の先生とお話する機会があると、こういう追加情報ももらえるかもしれません。食事以外もご納得のいく、いい園に入れますように。