別料金の「習いごと」的保育について

 

保育園を考える親の会は、2021年4・5月に会員アンケートを実施し、保育時間内に有料(別料金)で「習いごと」的な保育を行っている園について調べました。回答数は59件でした。(認可保育園利用47件、認定こども園利用9件、自治体の助成を受ける認可外利用3件、不明2件<うち重複カウント2件>)

【1】あなたの子どもが利用する保育施設では、保育時間中に、保育料とは別に月謝を徴収する「習いごと」を実施していますか。

*その他の記入

・それぞれ一人ひとりの子どもに対してカスタマイズされた保育を専門家が行っているためとても快適に過ごせています。

・習いごとという名目ではないが、リトミック、体操、英語がある。月謝はない。今年度、感染予防目的で時間短縮となった。

8割以上の回答者が「実施していない」と答えました。同様の「習いごと」的な保育を実施していても、別料金の徴収はしていない園も多いと考えられます。以下は、別料金で「実施している」と答えた8件の回答に関するものです。

【2】月謝の額はいくらですか。

・2000円、3000円、4000円 が各1件
・6000円台 2件
・7000円    1件
・15000円  1件
・給食費も含まれる保育充実費(9000円/月)に含まれるので不明。

【3】月謝を徴収する「習いごと」が始まった時期(もしくは無料だったのに月謝を徴収するようになった時期)は?

・2018年12月以前である  1件
・2019年1月以降である    3件
・わからない        4件

幼児教育無償化は2018年に制度内容が固められ、2019年10月から実施されました。実施が決定後に別料金保育を開始したところが3件ありました。

【4】「習いごと」の種類は?

・体育・体操など  7件
・英語に関するもの 4件
(両方が実施されたと回答した3件を重複カウント)

【5】申込み方法や理由について

・クラスの全員が参加することになっており、月謝は全員が払っている。2件
・申込み制であり、申し込んでいない。1件
・申込み制であり、希望に合うので申し込んでいる 4件
・申込み制であり、積極的に希望していないが、保育時間中にお友達と分けられるのがかわいそうなので参加している。1件
・保育時間中の保育に月謝を徴収されることに違和感をもっている。1件
*最後の2つの回答は同一回答者。

別料金の「習いごと」的保育が実施されている園の利用者8人のうち、6人は申込み制であると回答しています。そのうち、希望に合うので申し込んでいる人は4人、申し込まない選択をした人が1人、不本意ながら子どもが仲間外れになるのを嫌って申し込んだ人が1人でした。

【全体を通して】

この設問は、保育時間内に高額の別料金を徴収する園の保護者からの苦情が相次いだため、会員にお聞きしてみたものです。

認可保育園は児童福祉施設であり、所得に応じた保育料が設定されてきた制度の趣旨や、幼児教育無償化が実施された趣旨などを考えると、別料金で保育を実施することの是非については議論が必要なのではないかと思います。なお以前は、認可保育園では、公費から運営費が出ている保育時間内に別料金を徴収することは明確に禁じられていました。(文責・普光院)

*2021年会員アンケートは、このほか、コロナ禍での保育利用や不適切保育についての設問がありました。前者はすでに公開済み、後者は後日、公開させていただきます。