保活体験記 vol.10「市役所の窓口の嫌がらせに耐えて、入園を勝ちとる」

【家族構成】

我が家はステップファミリーです。2015年保活当時、長男10歳(3月生まれ)小学5年生、長女0歳(11月生まれ)でした。シングルファザーだった夫と結婚し、私は小学5年の男児のママになりました。長男は東京生まれ東京育ち。保育園も東京でした。しかし結婚&出産と同時に私の田舎へ引っ越しました。私と夫、双方の母は闘病中で(後に他界)頼れる状態になく、保育園入園は夫の「かつての経験」に頼りました。

出産直前まで東京に住んでいたため、出産前の施設見学は出来ませんでした。そのため保活は2015年11月の出産後に動き始めました。

と言っても、引っ越した先の田舎の自治体には「園選び」ができるほど保育園の数がありませんでした。電車に乗らず1時間以内に登園できる市内の認可保育園は3園。そのうち1園は「保育士大量辞職とパワハラ問題」で話題になった園でした。残るは2園。どちらも同じ経営母体の園なので、家から近い園を第1希望、遠い園を第2希望、電車を利用する園の中でより近い園を第3希望、第4希望としました。

 

【悩んだこと】

2015年12月。1時間ごとの授乳が3時間程度に伸びた生後3週間のころ、ようやく外に出られる体力を得て、市役所へ保育園申込書を受け取りに行きました。しかしそこで私を迎えたのは年配の職員。「今、お仕事されていますか? 時短?フルタイムに転職したい? 基本的にはフルタイムの方が優先されるので現在の状況で保育園には入園出来ません。ご両親が近くに住んでいる場合も保育園には入園できませんけど、ご両親どちらにお住まい? ーー△県A市?(隣接した県ですがA市とは130キロ離れています)近いですね。保育園には入園出来ません。それに今年の募集は10月に締め切りました。来年また申し込み資料をお配りするので来年来てください」と言われ、「保育所等利用申込書」ももらえず追いかえされました。

市役所のこの窓口の対応は「誤り」です。まず認可保育園では基本的に毎月入園の申し込みを受け付けています。確かに2015年10月に次年度4月の入園の申し込みは終了しました。しかし、月ごとに点数が加算される毎月の申し込みが出来るので、「また来年」ではないのです。

加えて就活中の場合でも申し込みは出来ます。私は当時、夫の会社のパートで月8万程度の収入がありました。保育園入園の規定としても十分でしたが、新生児を東京の会社に連れて仕事をしていたため、保育園の預かり時間内に上がれるパートになろうと就活中でした。窓口の人はその状況でも「無理」と言い申請書を渡さなかったのです。

大人しい人には強硬な姿勢を貫き数字に乗らない「隠れ待機児童」を作る−−「彼女」の対応は意図的に待機児童を増やさないための水際作戦をしているのだと判断しました。そのため「彼女」の居ない曜日・時間に再度、私は市役所に赴きました。すると対応した30代〜40代の女性職員は真逆の受け答えで即座に「申し込み資料」をくださいました。

しかし、記入済みの資料を提出しに3度目の市役所を訪れた際に私を出迎えたのは最初に対応した「彼女」でした。「彼女」は再び「フルタイムですでに働いている実績がある方でないと保育園は入園できませんよ。コレ出しても意味ありませんけど良いんですか?」と言って受け取りを渋りました。私は「毎月点数が加算されますよね? それに育休中、就活中の無職でも提出は出来ると書いていますけど?」と言い返しました。「彼女」は「書いていますけど実際はそんな方いませんよ」と吐き捨てました。

私はこの言葉が忘れられません。実際、第1希望の保育園に娘が入園できた際、保育園の先生から聞かされた実態は真逆だったのです。「育休中の方? いらっしゃいますよ。フルタイムの方? 少ないですよ。延長や土曜保育の申し込みも少ないんです。なので出来る限り皆さんには家庭保育をお願いしているんです。おじいちゃん、おばあちゃんと同居されている方も多くて、Aちゃんのおじい様もご近所にお引越しされる予定ありませんか?」と言われました。「同居や市内在住は保育園に入れません」あの職員の言った事と真逆の実態です。親切な職員に当たった方、または嫌がらせを受けても私のように貫き提出した人が入園できた−−ということなのでしょうか?

 
【入園通知届く】

私は騒動の後、夫の会社のパートを辞め、収入と労働時間を増やすべく、2016年4月から教育関係の仕事に就きました。保育園は隣の市の電車で片道1時間半の認可外に入ることが出来ました。無償化の前だったので毎月7万近くの出費でした。

そこの施設はマンションの一室で学童も併設。小学生もいて、プールや園庭もなく、1歳を過ぎるころには娘も私も心身ともに限界にきていました。

時を同じくして養子の長男の「発達障がい/学習障がい」に対する学校の無策(発達障がいは障害ではない、怠惰なだけですと言われました)に限界を感じ、市役所を訪れたところ、目の前であの職員が若いお母さんに「くだんの嘘」を言っているのを聞き、募る感情が爆発し、市役所内で嗚咽をあげながら大号泣してしまいました。

−−その1週間後の12月末。保育園入園を知らせる封筒が届きました。2017年4月より第一希望の認可保育園2-3歳クラスに入園。

 

【認可保育園の状況】

園庭も広く、オプション料金で幼稚園のような英語教育、体操教室が受けられます。年長のクラスには日本、世界地図、ひらがな表など教育に力を入れている様子が伺えます。土曜保育や延長保育を規定通り受け付けていますが、申し込みが少ないらしく申請しても「家庭保育できないか」「親戚やファミサポを利用できないか」と打診されます。先生は優しい方が多く、娘もすべての先生のことが好きです。

(神奈川県、2016年0歳児クラス・1歳児クラス入園をめざして)