幼児教育無償化の費用負担に関する緊急アンケート<最終集計>

保育園を考える親の会は11月19日、国が幼児教育無償化の費用を自治体にも負担させることを検討しているとの報道について、首都圏および政令市の100の市区の保育担当部署に緊急アンケートを実施しました。基礎自治体の保育担当部署は待機児童対策や保育の質の確保策を実施する保育行政の現場であり、そのご意見は、最も現実的な問題を反映していると考えられます。

設問はメールでお送りし、回答期間は実質10日間と短期間でしたが、全体の有効回答72通(全問無回答3通を除く)が集まっています。

なお、アンケートの配信は、保育園を考える親の会が毎年行っている調査(「100都市保育力充実度チェック」として発表)の対象100市区(首都圏の都心通勤圏の主要市区と政令市)に行いました。


【集計結果のポイント】

①自治体に負担を求める国の幼児教育無償化の方針に、97%の自治体が見直しを求めている。「無償化より優先してほしい施策がある」56%、「反対」41%、「賛成」3%(当該設問の有効回答63 票)

②ほとんどの回答が財政への圧迫を懸念しており、待機児童対策・質の確保その他の保育施策に悪影響を与えることを懸念する回答が、7割以上になった。自治体により財政の状況に差はあるが、無償化費用負担により、保育もしくは他の行政サービスに悪影響が出ると懸念する自治体は多数に及ぶ。

③特に無償化費用が10割負担となる恐れがある公立保育所については、公立に関する方針は変わらないとする回答もある一方で、民営化などが促進されるなどの影響を答えた回答が4割に。

④認可外の無償化には、ほぼすべての回答が懸念・疑問を表明。特に、保育の質や業務増大への懸念が大きい。

⑤制度の詳細が定まらないまま実施時期が迫ることを問題視。実施を延期してほしいという声も。


Q1 上記の報道内容のような自治体負担を求められた場合の対応を検討されていますか?(回答日現在)

対応を検討している。 53
対応を検討していない。 18
上記報道の内容を知らない。 0

【有効回答71】

Q2 幼児教育無償化の費用が上記のとおり自治体負担となった場合、貴市区の保育行政にどのような影響を与えると考えられますか。現時点で該当すると考えられものを複数回答でお答えください。

【複数回答・有効回答数71】

複数回答を整理すると、有効回答から「現時点ではわからない」等の回答を除いた65自治体のうち、保育施策になんらかの悪影響があるとした回答は48自治体(74%)に上りました。「その他」の記述回答で、保育施策以外の事業に悪影響を与えるとした回答も多く見られました。

「補える財源があるため、悪影響はないと見込まれる」を回答した2自治体は、その説明として、

「国に先駆けて幼児教育の無償化を既に実施しているため」

「保育園については、すでに国基準に上乗せして保護者負担軽減を実施している。(特に0〜2非課税世帯は無償を実施している。)今まで区単独負担を国・都でも負担することになるので、財政に問題はない。一方で、幼稚園については、保護者軽減の所得制限が撤廃されるので、財政負担は大きく増加すると考えている。」

としている。

【「その他」に書かれた記述】*「現時点では不明」等を除く

○財政を圧迫する恐れがある。○市の財政に悪影響を及ぼす。
○財政的負担が増すことになれば、保育関連施策への影響がある。
○財政を圧迫するが、保育部門に限らず、市全体の財政状況の中で財源確保の検討がされるものと考える。
○消費税増額分がどれだけ増額になるかにもよりますが、市財政を圧迫し、全体の事業に影響を与えると考えられます。
○幼児教育無償化にかかる経費は一時的なものではなく、継続的に保育関連経費が増大することになり、保育以外の自治体が行うべき施策に影響が生じる。
○無償化の費用が自治体負担となった場合、一般財源からの捻出することになるため、保育行政に限らず多方面に影響が出るものと考えられます。
○質に悪影響を与えることはできないため、財源の確保に努めますが、区全体の財政に影響を及ぼす可能性があります。
○別途自治体で財源を確保する必要があるため、他の事業に影響が生じる可能性がある
○ただちに何かに悪影響を与えるということはないが、保育施策以外とのバランスがあるので、保育関係の無償化以外の予算が減ることになる可能性が高まる(例えば私立園への市独自補助等)。
○地方消費税は、保育をはじめとする子育て・教育や医療・高齢者福祉等に必要な財源として地方が活用すべきものであり、今後の施策に影響する可能性がある。
○選択肢のような影響があるとまでは断言できないが、市全体の財政状況への影響は懸念される。
○財政負担が大きくなるが、各方面に影響が生じないように努める。
○悪影響がないように財源を確保する。
○認証保育所等の認可外保育施設の利用者に対する償還払いは膨大な事務量になると予想される。財源については、都市自治体は消費税増税に対し、その3割が地方に配分されるということで賛成してきた。10%への引上げの協議の際に示されていなかった今般の無償化の実施に必要な財源については、地方消費税の増収分を充てるべきではない。必要となる財源は、国の責任において全額国庫支出金で確保されたい。
○保育園等の利用希望者が増え、自治体の支給認定業務の増大が見込まれる。
○財政を圧迫するが、現時点では影響は未知数である。

 

Q3 特に公立保育所については、10割が市区町村の負担になる可能性がありますが、この影響はどのようになると思いますか。複数回答でお答えください。

【複数回答・有効回答数 70】

公立保育所の運営費は、2004年に一般財源化されてから運営費の10割が市町村負担となっています。このため、無償化の費用も10割市町村負担となる可能性があります。公立保育所の無償化費用が10割市町村負担となった場合も、公立保育所に関する方針は変わらないとする回答が29市区ある一方で、公立保育所への悪影響についての3つの選択肢のいずれか1つ以上マークした回答は25市区に上っており(「現時点ではわからない」等の回答を除いた60市区の42%)、無償化が公立保育所に及ぼす影響が懸念されます。なお、「公立に関する方針が変わらない」と回答しつつも、「地方交付税措置等による十分な財源措置が確実になされることが不可欠である」と付記した自治体もありました。

公立保育所は、近年、民間保育施設の突然の休園・廃園などの非常時の受け皿になったり、そこで培われた人材が民間保育施設の指導・支援や監査に活用されたり、養育困難も含む多様な家庭の受け入れ・支援を率先して担当したり、災害時に出前保育・臨時保育その他の子育て支援を行ったりするなど、その重要性が増しています。無償化がなくても民営化を進める方針の自治体もありますが、公立保育所の存続を一層困難にするような施策には大きな問題があります。

【「その他」に書かれた記述】*「現時点では不明」等を除く

○公立の中でも特に指定管理保育所は、早急に管理委託先(民間)への譲渡を検討しなければならないと思う。
○無償化の費用が自治体負担となった場合、一般財源から捻出することになるため、公立保育所の運営に限らず多方面に影響が出るものと考えられます。
○無償化費用が10割負担になれば、民間園とのコスト比較により民営化の議論が広がると思う。
○現時点で具体的な影響は見通せないが、財政負担の増加により今後の施策に影響する可能性がある。
○無償化以前より民営化は実施しており、また保育料についてもすでに保護者負担軽減を実施しているので、無償化と民営化は別と考えている。
○無償化の費用負担の有無に関わらず、区は当面、区立保育園の一部を中核園・障害児指定園に指定することと併せて、民営化を計画的に行う予定です。

 

Q4 無償化の自治体負担分を国から地方交付税で補填される場合、その相当額は無償化を含む保育等の費用として確保することはできますか。

【有効回答数71、重複回答1(回答合計72)】

国は無償化費用の自治体負担を求める代わりに、その分を地方交付税で補填するかもしれないという推測も聞こえています。しかし、①地方交付税では用途が指定されない一般財源であること、②年度により不交付団体になる可能性もあること、③国は地方交付税の財源をすでに持っておらず臨時財政対策債という負債になる部分が大きいことなどが懸念材料となっています。有効回答71市区のうち、地方交付税の不交付団体は28市区でした。残りの43市は交付団体と見られ、うち37市が「一般財源なので補填相当分の全額を無償化を含む保育等の費用として確保できるとは限らない」と答えています。無償化で保育予算が膨らみ、議会などでその圧縮が求められることがあれば、保育の量と質の確保に大きな影響を与えることになります。

【「その他」に書かれた記述】*「現時点では不明」等を除く

○地方交付税で補填されると言っても、臨時財政対策債の発行可能額が増えるばかりで、将来世代のことを考えると臨時財政対策債を抑える必要があり、保育等の費用を確保できたとは言えない。また、将来的に不交付団体になる可能性がある当市としては当てにならない財源である。
○保育低下を来たさないよう財源確保に努める。

Q5 自治体に負担を求める幼児教育無償化の実施についてどのようにお考えですか?

賛成である。 2
無償化より優先して欲しい施策がある。 35
反対である。 26

【有効回答数63】

「自治体に負担を求める幼児教育無償化」への賛否を求めました。賛成は2で3%にとどまりました。最も多い「他に優先してほしい施策がある」も、無償化を優先して実施することには反対と考えられ、回答自治体の97%が見直しを望んでいることがわかりました。

 

Q6 その他、上記に関連したご意見があればお聞かせください。

21件の意見が記入されました。①そもそもの制度の有効性への疑問、②幼児教育無償化は国策であるから国が負担すべき、あるいは自治体の負担を補填すべき、③待機児童対策や保育士の処遇改善による人材確保策(=保育の質の向上)を優先すべき、④制度設計の遅れ、給食費実費徴収も含めたさまざまな事務の増大の懸念、などが述べられています。

*「現時点では不明」等を除く
○保育料や私立幼稚園就園奨励費の支給額については所得段階に応じたものとなっており、低所得者に対しては一定の負担軽減がすでに行われているため、無償化による幼児教育の負担軽減の効果は限定的だと考えられる。
○無償化の財源については、国が措置するべき。
○財源については、地方交付税ではなく、国の責任において国費で確保してほしい。
○幼児教育・保育の無償化は国の施策であることから、無償化の実施前よりも自治体の財政負担が増えることのないよう財政措置を講じてほしい。
○基礎自治体に負担を生じさせないよう、国の責任において必要な財源措置を講じてもらいたい。
○無償化に反対ではないが、国費での実施を求める。
○乳幼児期(0歳児から5歳児)における就学前の教育は、子どもの健全な心身の発達を図りつつ、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであるため、等しく就学前の教育を受けるための「無償化の実施」については賛成であるが、国の責任において実施すべき施策であり、自治体に負担を求める方法については反対である。
○本区では、現在待機児童の解消に努めているところですが、無償化による自治体の費用負担等が極力生じないようにしていただきたいです。
○前問について、待機児童解消のための施策を充実してほしい。
○国は無償化に必要な費用は全額国が負担するという約束を履行しなければならない。無償化する財源を保育士処遇改善にまわし、子どもの最善のために保育の質を向上させるべきである。
○全国的に未だ待機児童の解消が実現されていない現状を重視し、幼児教育無償化ありきではなく、保育施設整備及び保育士の確保や定着化等を進めるための施策を優先的に実施するよう国に対して要望をしていきたい。
○幼児教育・保育無償化を実施する前に、保育士の確保及び更なる処遇の改善を図るため、公定価格における処遇改善等加算について、地域の実態を踏まえ、十分な財政措置を講じることを優先していただきたい。特に公定価格における地域区分については、地域の実情に即したものとなるよう見直していただきたい。また、保育士の勤務条件の緩和や業務負担の軽減など、人材確保に向けた環境整備を図るため、財政措置の拡充を図っていただきたい。
○幼児教育・保育の無償化は国策により行なわれるものであり、国はその原資を恒久財源である消費税の増税分を充てることとしている。一方で基礎自治体も一定の財政負担を行なうことも示しており現在その財源については不透明な状態である。また基礎自治体に新たな財政負担を強いることは、現在各自治体が独自に進めているその他保育施策を圧迫し後退させる原因となりうる。以上のことから幼児教育・保育の無償化に係る費用負担のあり方は、国がすべての基礎自治体に対してすべての費用を補填すべきであると考える。
○制度設計の未確定により、予算措置・例規改正・システム改修・事務運用精査・周知等の期間確保が困難であり、事務負担の増加も見込まれる。
○無償化するにあたっては、来年10月からではなく期間を設け、制度設計をきちんとして、利用者・事業者・自治体・システム開発業者等の準備が整ってから実施してほしい。
○円滑な事業実施のため、以下のとおり国に強く要望する。
(1)消費税・地方消費税率10%への引上げの協議の際に示されていなかった、今般の幼児教育・保育の無償化の実施に必要な財源については、国の責任において、全額国費で賄うこと。
(2)自治体の負担増とならないよう、国の責任において必要な財源を全てかつ恒久的に確保すること。
(3)必要な財源には、地方交付税交付金を一切含まないこと。
(4)事務負担の増加に伴う人件費やシステム改修経費をはじめ、事務処理に必要となるあらゆる財政措置を講じること。
(5)これまでの待機児童解消の取組に加え、幅広い保育人材の育成、確保、施設整備費に対する財政措置など、あらゆる支援を講じること。
(6)認可外保育施設等の無償化について、本来、対象は「劣悪な施設を排除するため」の指導監督基準を満たした施設に限定すべきであり、「5年間の経過措置」を設けることについては、再検討すること。なお、認可外保育施設やベビーシッター等に対する指導監督基準については、速やかに見直し、あるいは整備を行い、事業者による基準の順守及び認可保育施設等への移行を支援するために必要となる技術的支援及び財政措置を講じるなど、幼児教育・保育の質の担保・向上の仕組みを構築すること。
(7)国は2019年10月から無償化を施行するとしているが、確実な財源の保障及び子どもたちの安全を確保するための質の担保手法が国から示されない限り、子どもたちの命を預かる自治体としては、住民に対する説明責任を果たすことができず、円滑な施行は困難である。特に、条例・規則等の整備、利用者への周知やシステム改修等、実務上の準備に相当な期間を要することから、新たな認定の仕組みや食材料費の取扱い等を含む制度設計の詳細を早急に明らかにする必要がある。ついては、国は、これらの具体的な方針を速やかに提示するとともに、国民及び自治体への周知の徹底を図ること。
○給食費が実費徴収になった場合、保育所の負担(事務手続き、滞納整理等)が増え、その分の補てんを市町村に求められることが予想され、結果的に市町村の財政的・事務的負担が増大することが懸念される。
○平成30年8月に行われた内閣府による市町村向けセミナーにおいて、国の担当者から「現在、各市町村において、利用者負担の国基準額より低い料金設定を行っており、独自におおむね4割程度安い料金設定を行っている。これは10/10市町村負担。ここに1/2(国)・1/4(県)の負担が加わると考えている。このため、市町村の負担は軽くなると考えている。」とした上で、「その浮いた財源は、子どものために使うようお願いしている。浮いた財源で道路等に使ったという話になっては困ります。」との説明があった。しかしながら、その説明に、公立保育所に係る市町村の負担という視点が抜けているように感じた。そうした中で、ご指摘の新聞報道がなされ、大変心配している。公立保育所がある市町村では、浮いた財源を検討する余地がない。国の政策判断で無償化がなされるところ、結果として市町村に大きな負担が生じるのであれば理不尽であり、認可外保育施設利用者への無償化分を含め、平成31年度以降継続して全額国費負担を基本に対応すべきと考える。また、新聞報道ばかりが先行し、国から通知や情報提供がほとんどなされておらず、その真偽を確認できない状況が続いている。無償化の実施まであと1年を切ったにもかかわらず、市町村において準備が進められない。別な話ではあるが、「育児休業期間の延長のために必要な保留通知書をもらいたいための保育施設利用申込み」への対策についても、新聞報道ばかりで国から市町村に何ら情報提供がなく、時節柄、4月入所の申込が始まっており、「どこに「延長したい」欄があるのか。」等の問合せがあるなど窓口で混乱が生じている。市町村の現場のことをもっと意識して対応していただきたい。
○幼稚園の部分につき、情報が早急に欲しい。

 

Q7 財源の問題ではありませんが、あと1問ご意見をお聞かせください。認可外保育施設が無償化の対象となることについて、懸念されていることがあれば複数回答でお答えください。

【有効回答数72】

この設問は最も回答率が高く、自治体の懸念が非常に大きいことがわかりました。認可外保育施設が無償化の対象となることについて、「懸念なし」という回答は1。有効回答72市区中、51市区(71%)が認可外の指導監督の業務の増大を問題としており、45市区(63%)が無償化で質の不十分な施設にも利用が促進されることを懸念しています。

また「その他」にも多くの記述があり、①指導監督基準を満たす施設を対象とするなどの質を確保が必要、②ベビーシッターなど保育内容の把握が難しい事業への対応の困難さ、③「保育の必要性」を認定された世帯が対象となるため、その認定事務が増大することへの懸念、④保育料償還事務の業務量への懸念、⑤こういった問題について具体的なことが未決定であることへの不安、その他多くの問題が提示されています。

【「その他」に書かれた記述】

○保育の質の確保 ○保育の質が確保される必要がある。
○認可外も無償化とするのであれば、質の確保に対する十分な対策と財源措置を講じる必要がある。
○認可外保育施設等については、子どもたちの安全が確保されることが第一であり、本来、「劣悪な施設を排除するため」の指導監督基準を満たした施設に当然限定すべきであると考える。また、保育料滞納がどの自治体でも問題となっているなか、なし崩し的な無償化の導入は、さらなる モラルハザードを惹起する惧れがある。
○・認可外保育施設への指導監督の権限がない中で、保育の質をどのように担保するのか。・助成金支払や施設管理等の業務負担の増加。
○指導監督基準を満たさない施設がいたずらに増えることにならないか懸念している。
○施設は指導監督基準を満たして運営するのが当然であるため、無償化の対象となる施設は、基準を満たす施設のみとするべきである。また、ベビーシッターやファミリー・サポートなど、居宅での保育は、自治体として実際の保育内容の確認が困難なことから、質の確保・向上が難しい。
○ベビーシッターの利用については利用実態の把握が難しいと考えており、制度の中で何らかの対策を考える必要があると考えています。
○上記設問にある認可外保育施設への指導や監督は、現在は都道府県の業務である。無償化とあわせて市町村業務とするようであれば、市町村の負担が大きい。
○いかなる保育施設においても乳幼児の安全の担保が保育の前提と考えるため、無償化の範囲は指導監督基準を満たした施設に限定するべき。あわせて、今後の認可外保育施設における保育の質の向上についても積極的に支援することが必要。
○無償化の対象となることに伴い,これまで把握が困難であった認可外保育施設等が把握できる一方で,当該施設の保育の質の確保等に向けた支援が必要となり,業務の負担が大きくなる。
○認可外保育施設は内容が多様であり、把握も難しい。そうした中で、他の自治体の認可外保育施設の利用についても補助を支出することが見込まれることから、執行管理をどのように行うのかなどの疑義がある。
○確認作業を自治体が担うことによる事務の増加
○新規事務として、認可外保育施設等利用料の償還事務が生じるため、業務負担が大きくなる。
○無償化にあたり、支給認定に類する事務や保育の必要性の確認等について業務の負担が増える恐れがある。
○支給認定や償還払い等、今までなかった事務の増大が予想され、人員配置もままならないことから、通常業務(認可保育所の入所調整や支給認定等)への圧迫が懸念される。
○①無償化することによって認定する方が増加し、さらに働き方や家族構成が多様化しているため書類の審査は困難になり、事務が軽減するどころか増大する。②無償化したことで保育料の決定する業務が軽減されるとあるが、入園選考について保育料の階層も関係があるため業務はなくならないため軽減されない。
○認可外の無償化は、自治体における人件費等の事務量コスト増への対応も含め、全額を国が補てんすべきである。また、準備期間も短く、実務を行う自治体における混乱が予想される。無償化時期を延期していただきたい。
○来年10月実施にも関わらず詳細が確定していない現状の中、保護者や事業者への周知が遅れていることや、保護者や事業者との無償化に関する申請など手続きスキームが構築できていないこと、また、人員が限られている中での無償化業務への体制構築に懸念を感じている。
○①無償化という表現は実際の助成額(3.7万円)を正確に表しているとは言えず、区民に誤解を招く。②一時保育、病児保育、ファミサポ等の利用実績を合わせて管理する必要があるため、事務負担が大きい。
○認可外保育施設については、待機児童対策として無償化されるが、待機児童が解消した場合の取り扱いが不明である。
○以前にも市の施策として認可外の教育・保育施設に保護者への補助を実施していた実績があり、ある程度の基準を満たす施設であれば対象とすることに懸念は少ないと考える。

多忙ななか、短期間でご協力いただいた、自治体の皆様に深く御礼申し上げます。