2011年2月12日
10年以上にわたり、保育所の新設を抑制し、定員弾力化による「詰め込み」で待機児童対策を行ってきた結果が、今日の都市部の深刻な保育所不足を生んでいます。このことを顧みることなく、東京都がさらなる「詰め込み」による待機児童対策をめざし、一日十数時間を保育所で過ごす子どもの視点に立つことなく、その命の安全や発達する権利を侵害するような面積基準の緩和を行おうとしていることについて、私たち保護者は、子どもに成り代わって、NOと言わなければなりません。
日本一裕福な自治体である東京都は、子どもの心身の豊かな発達を保障する保育環境をふやすことに最大限の努力をすべきです。児童福祉審議会専門部会は、議論を白紙に戻し、適正な保育環境について、養護と教育*の観点から国内外の知見を洗い直すことから始め、保育現場、保護者、子どもを代弁する者(子どもの発達や心理についての専門家)、市区町村の意見を聞き、行政の果たすべき役割の原点を見据えた議論を行うべきです。
*養護と教育:保育所保育指針に示された保育所保育に必須の内容で、養護=生命の保持と情緒の安定、教育=健康、人間関係、言葉、環境、表現とされる。
このアピールの背景
*東京都児童福祉審議会専門部会は、保育所の0-1歳児一人当たり面積基準を3.3平米から2.5平米に切り下げる検討を行っている。会議は3回で終了する予定で、すでに2回目までが終わり、3月に中間まとめを検討する3回目が予定されている。
*2009年に研究結果が報告された「機能面に着目した保育所の環境・空間に係る研究事業」の結論では、最低限度という意味での最低基準を、0-1歳児4.11平米、2歳以上児2.43平米とした。同研究の調査では、先進諸国と比較して、日本の面積基準は最低ランクであることが明らかになっている。また、1999年には、駅型保育所における幼児の運動能力が全国平均を下回ったという研究結果も発表されている。
6日間で120通の賛同メッセージをいただきました。 保育の現場を知る保護者の皆さんの厳しい指摘、これから出産する方々も含め、 たくさんの皆さんの切実で怒りのこもったメッセージです。 全文メッセージ(PDF版) 抜粋6ページメッセージ(PDF版) 抜粋3ページメッセージ(PDF版)東京都へ提出要請文(PDF版) |