目次
保育施設・事業の種類
認可の施設・事業は、次の「保育の必要性の認定」を受けて利用する(給付制度)。「保育の必要性」は保護者の就労、病気、就職活動などの理由で認められる。
1号認定:保育の必要性を認定されない満3歳以上児(幼稚園を利用)
2号認定:保育の必要性を認定される満3歳以上児
3号認定:保育の必要性を認定される満3歳未満児
ファミリー・サポート・センターについて
財団法人女性労働協会
ベビーシッター業界団体の業者一覧
社団法人全国保育サービス協会
保育時間
図はある認可保育園の場合。
「保育標準時間」の時間帯がこれよりも15分もしくは30分、前にずれる施設も多い。
- 認可保育園、認定こども園、小規模保育等の認可の保育は、1日の最大利用時間が11時間の「保育標準時間」、8時間の「保育短時間」という2つの保育時間区分があります。
- 保護者の就労時間が、おおむね月120時間以上であれば「保育標準時間」、120時間未満であれば「保育短時間」の認定を受けます。「保育短時間」のほうが若干保育料が安くなっています。
- 認定を受けた時間を超えて利用した場合は、延長保育料がかかります。
- 「開所時間」「保育標準時間」「保育短時間」が何時から何時までかは、施設ごとに違っています。
- 延長保育は「月ぎめ」「スポット利用」(1回ごとに申し込んで利用する)の2通りの料金体系があります。
- 就労時間の合計では「保育短時間」の認定になるけれども、施設の「保育短時間」の時間帯と合わないという場合は、認定を受ける前に市町村に相談すること。国の制度では、必要に応じて柔軟に認定することを認めている。
- 認可保育園の開所時間は、19時~20時ごろまでのところが多く、一部22時までの園もあります。認可外は、20時、22時まで開所しているところが多く、時間の区分の決め方や料金設定は施設によってさまざまになっています。
受入年齢
認可も認可外も0歳児から受け入れる園が多数派ですが、認可保育園には、1歳以上から受け入れの園もあります。0歳児保育は、産休明けから受け入れている園が多くなっていますが、「4か月」「6か月」以上としている園もあります。「6か月から」という保育園に0歳から入りたい場合は、 子どもが6か月になった翌月の1日から 入園が可能になります。
1歳以上は小学校と同様、4月1日現在の年齢でクラス分けしていて、 たとえば1歳児クラスには「入園する年度の4月1日現在で1歳」(=前々年度4月2日~前年度4月1日生まれ)の子どもが入れます。そのため、年度途中入園の場合は、1歳の子どもでも0歳児扱いになる場合が あるので、要注意です。
現在、認可保育園では、1歳児クラスがもっとも待機児が多く、入園の競争率が高くなっています。
認可保育園の入園決定まで
認可(認可保育園、認定こども園、小規模保育、家庭的保育等)の保育施設・事業への申込みは市区町村にします。入園案内は市区町村のサイトでダウンロードできます。
まず、現時点での入園案内を入手し、入園手続や通える範囲の保育施設をチェックします。できれば早い時期に役所の窓口に行き、入園案内の疑問点、希望園・クラスの例年の入園状況、周辺の助成を受ける認可外保育施設の情報などを聞いてみるのとよいでしょう。希望の保育施設には事前に見学に行き、園長や主任などの話も聞いておいたほうがいいでしょう。
見学でのチェックポイントは 「保育園選びのチェックポイント」を参照。
保育の必要性の認定申請 入園希望月の申請時期になったら、最新の入園案内(申請用紙)を取り寄せます。申請書類には家族の就労状況など保育を必要とする事実について記入し、就労証明や源泉徴集票・確定申告控えなどの所得証明も添えて申請します。勤務先で作成してもらう書類は早めに手配します。なお、所得で保育料が決まります。 入園申込み 希望する認可の施設・事業の希望順位を明記します。保育の必要性の認定申請と入園申込みはセットになっています。保育の必要性の認定申請の結果は、認定がおりない場合以外は、入園選考の結果と一緒に通知がされる場合が多いでしょう。 利用調整(入園選考) 定員に空きがあれば希望する園に入れますが、希望者が保育園の定員を上回っている場合は、利用調整(入園選考)が行われます。保護者の就労時間や家庭の状況によって点数がつけられ、客観的に判断されます。就労時間が長いなど、必要性の高い家庭が優先されます。選考基準(点数のつけ方)については「入園案内」や市区町村のサイトに公開されています。 入園承諾 いわゆる入園内定のこと。4月入園の場合は、10月~11月に申し込みを受け付け、2月に選考結果が発表されるのが一般的です。 園での面接・健康診断 入園前の打ち合わせの意味もありますので、健康状態、授乳や離乳食その他の生活の状況について、しっかり伝えましょう。保育方針・園生活や準備が必要な園用品の説明などを行う入園説明会が同時に行われる場合もあります。 |
認可と認可外の違い
保育料
2019年10月から幼児教育無償化が実施され、3歳以上児および非課税世帯の3歳未満児は保育料が無料になりました。ただし、認可外保育施設や幼稚園には上限額があり、超えた部分は自己負担になります。
3歳未満児の保育料については、認可の場合、市区町村ごとに応能負担の(世帯所得に応じた)金額が決められています。これに対して、認可外の保育料は、それぞれの施設が決めた額になり、所得に応じた軽減はありません。
また、認可では第2子が半額、第3子以降が無料など、きょうだいが同時に在園する場合には保育料の軽減があります(自治体によりさらに軽減されている。認可外も対象になる場合がある)。
国の基準・財源
認可の保育は、国の給付制度のもとにあり、国が決めた基準を満たし、国・自治体の財源から費用の支出を受けています。これに対し、認可外は、自治体独自の基準・補助金によるものと、公費をまったく受けず行政の関与が薄いものに分かれます。
なお、企業主導型保育は国の制度で、企業等の事業主拠出金を財源に補助金が出ていますが、自治体の認可を受けないため認可外保育施設に含まれます。
困ったときは
認可に入れなかった場合
<認可外保育施設に入園する>
できるだけ自治体の補助を受ける認可外(認証保育所、横浜保育室 etc.)で保育を確保します。待機児童が多い地域では、これらの予約等は早めにしておくほうがよいでしょう。
認可を受けていない保育ママ事業がある場合もあるので、市区町村に相談して、受け皿となる保育サービスをすべて教えてもらいましょう。これらの受け皿探しは、認可の申込み前の早い時期から行っておくことをお勧めします。
認可外にはさまざまな施設がありますから、十分に質をチェックして選びましょう。
認可外等に入園した場合も、認可への入園申請を継続すること(待機)ができます。認可の選考会議は毎月行われており、欠員があった園・クラスについて選考(利用調整)が行われます。
一定期間以上、認可外を利用している場合には、認可の選考で指数の加点があり入園の優先順位が高くなります。
<そのほかの切り抜け方>
地元がだめなら、職場近くや通勤途上で預ける方法もあります。ただし、認可の施設・事業は自治体ごとに管轄しており、どこでも自市区民優先になるので注意が必要です。
ベビーシッターやファミリーサポートにフルタイムで預けようとすると、保育料が高くなりすぎるし、ファミリーサポートは地域の互助組織なので、毎日8時間以上の預かり手を探すのは難しいでしょう。
実家の助けを借りられる人はラッキーです。その場合、できればベビーシッターやファミリーサポートセンターなども組み合わせて利用したほうが実家の負担を軽くできます。
育児休業を延長して1歳を超えるときは、その月の「不承諾通知」(落選通知)を提出することで育児休業給付金も延長できます。逆に提出しなければ、育児休業給付金は打ち切られます。1歳半になる月も不承諾通知の提出が必要になります。
希望すれば2歳まで延長できると思って入園申請をしないまま1歳もしくは1歳半になる月を迎えると育児休業給付金は継続できませんので、注意が必要です。
お迎えが間に合わない
<まずはパートナーと相談>
決められた保育時間ではお迎えが間に合わないという場合、まず、パートナーと協力して解決できないか考えてみましょう。
在宅勤務ができれば、通勤時間をカットできます。短時間勤務やフレックスを利用して、片方が朝早く出勤して夕方早く帰るなどの調整もできます。それぞれ勤務先とも相談してみましょう。
3歳未満の子どもを育てる社員から短時間勤務を申請されたら会社は認めなければなりません(育児休業法)。会社によっては、就学まで短時間勤務をとれるところがふえています。
<残業の調整>
法律的には、残業は断ることができます。育児休業法では、3歳未満の子どもを育てる社員が残業免除を申請したら認めるよう事業主に義務づけています。
どうしても残業が必要なときは、夫婦でやりくりしてお迎えを交替することも考えましょう。
必要なときだけ延長保育のスポット利用ができる保育園も増えています。
保育園のあと二重保育を頼む人もいます。・保育園のあと二重保育を頼む人もいます。
祖父母、ベビーシッター、ファミリーサポート、近所の人などに保育園にお迎えに行ってもらい、親が帰ってこられる時間まで子どもを見てもらいます。
二重保育にベビーシッターやファミリーサポートを頼む場合、できれば、 子どもと相性がいい人に継続してお願いするほうが親も安心ですし、子どもも安定できます。
子どもの病気はどうする?
通常の保育園では、病気の子どもを預かる体制になっていません。子どもが病気のときは保育園を休ませなくてはなりません。親がどうしても仕事を休めないときは、ベビーシッター、病児・病後児保育が預かってくれます。
公費の補助が入って安く利用できる病児・病後児保育は、全国に1800か所を超えて設置されてきていますが、身近にない地域も多いでしょう。
一般に病児・病後児保育として利用されるのは病児対応型・病後児対応型(病院・診療所、保育所等に専用スペースを併設するもの)です。このほか体調不良児対応型(保育中の体調不良児の看護のため看護師を2名以上配置する。園児のみが対象)、非施設型(回復期に対応する訪問型事業)などの制度があります。合わせて3,971か所(R3年度)になっています。
病児・病後児保育の事前登録や利用申込などについては復帰前に調べておいたほうがよいでしょう。
ベビーシッター会社にも病児対応可能なシッターを派遣するところがあります。